なぜYouTubeでなくてニコニコ動画なのか、投稿してわかったこと
吉川さんの本日の2つ目のエントリー「日本はニコニコ動画、欧米ではYouTube」に反応。
日米の動画サイトへの投稿体験を比較してみようというのがそもそもの動機だった、「その後の古時計」(連載1、連載2)ですが、最後にもってこようと思っていた、ニコニコ動画とYouTubeの違いについて、投稿経験者として感じたことを少し書いてみます。
YouTubeとニコニコ動画の両方に同じビデオをアップする人は多いと思いますが、その理由の1つに、ビデオエンコードの問題があります。
動画の投稿に先立ち、ニコニコ動画のwikiでビデオフォーマットについて調べてみました。
ニコニコ動画ではエンコード可能なフォーマットがYouTubeと比べて少なく、たとえばiPod用の現在の標準形式がうまくハンドリングできないようです。また、FLVの特定のパラメータにすれば高画質のアップができますが、その方法は若干困難が伴います。わたしもこのwikiからリンクされているニコニコ動画を見なければわからなかったかもしれません。
低画質でよければ、いったんYouTubeにアップしたものをFLVダウンロードツールで自分のマシンに置き、それを再アップするというやり方でニコニコ動画に送ることができます。わたしは最初、その方式でやるつもりだったので、YouTubeに先に投稿したわけです。
●YouTubeではサムネールを指定できない?
しかし、そのときにYouTubeでわかった問題は、
・サムネールの画面を指定できないこと
でした。
「その後の古時計」のYouTube版を見ていただければわかりますが、サムネールがFlickrからCCで使用させていただいた時計の写真になっています(直接のページにサムネールはないので、大きな古時計の検索結果にリンク)。本当は、冒頭に使っているツマのミクイラストにしたかったのですが、サムネールはランダムで生成された3つから選ぶようになっており、その中には冒頭のイラストはありませんでした。ポスターフレームとかでやり方はあるのでしょうが、投稿ツール内には見つかりませんでした。
その点、ニコニコ動画ではサムネールはランダムで発生させることもできるし、時間とフレームを指定することもできます。ここでは思い通りのサムネールにすることができました。
吉川さんのエントリーで引用されていた、YouTubeはMAD系に弱いという指摘は、ひょっとしたらこのあたりにも原因があるかもしれません。
●コメント率の違い
もう1つの違い、それは、コメントです。わたしの投稿内容のせいだったかもしれませんが、YouTubeではコメントはまったくなし。それに対して、ニコニコ動画は175。
ちなみに現時点でのYouTube版とニコニコ動画版の数値を比べると、
・YouTube版(12/1 00:00投稿):2007-12-07 7:31 1040再生、コメントなし、☆☆☆☆☆レーティングが2
・ニコニコ動画版(12/2 10:00投稿):2007-12-07 7:31 2211再生 175コメント
再生数は倍以上の開きがありますが、なによりも違うのは反応ですね。「こんな雨の日はKAOSSILATORでブルースでも弾いてみるか」で投稿した「KAOSSILATOR Blues」は、2万968再生でレーティングが11、コメントは7個と、ニコニコ動画と比べるとコメント率が相当に低いです。
また、その反応を知る方法にも差があります。
YouTubeでは再生数の伸びを知るためには自分のページ管理画面をリロードする必要があるのですが、ニコニコ動画なら、その該当ページを開いた状態にしておけば、再生数は更新され、新規追加されたコメントもそのままで見ることができます。どの場所にコメントがついているかも、そのコメントをダブルクリックすればビデオが静止状態のままでその場面に移動してくれるのです。
投稿者が自分の作品に対する反応をいち早く、的確に知ることができ、さらにその反応数が格段に多いとなれば、ニコニコ動画に流れてしまうでしょう。YouTubeにも、「ニコニコ動画アカウントがない人でも見ることができる」というメリットはありますが。
あ、もう1つYouTubeの優れているところ。メンテが少ないこと(ただいまニコ動メンテ中)。
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