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「初音ミクのお父さん」インタビューを読んだ

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 アトムにとっての天馬博士みたいな存在、「初音ミクのお父さん」と言ってもいい、VOCALOID開発者である剣持秀紀氏のインタビューを読みました。本日発売された、DTMマガジンの増刊号である、「THE VOCALOID CV01 初音ミク」最大の目玉といっていいでしょう。

VOOCALOIDの心臓部分を作った男
剣持秀紀インタビュー

 興味深かったポイントを列挙すると:

・京都大学音楽部交響楽団出身 ヴァイオリニスト
・フォルマントシンギングとVOCALOIDとは、コンセプトは共有しているが、信号処理技術は別物
・VOCALOID 1とVOCALOID 2の違い
・単体でもポルタメントがかかる理由
・鏡音リン・レンのVOCALOID Editorはバージョンアップされていて、十字カーソルバグは修正されている(明日になればわかるはず)
・ミクユーザーのVOCALOID Editorも同時期にバージョンアップがかかる(おお!)
・ライバルはEastWestのEW/QL SYMPHONIC CHOIRS(これもクリプトンの扱いだ)
VOCALOID-USER.NET、某巨大掲示板でのフィードバックは参考にしている(要望は書き込め!)

というふうに、わたしにとってはこのインタビューだけで1980円分の価値はありました。初音ミクを語る人にとっては必読ではないかと。

 ポスターとかマウスパッド目当てでなくても、それだけのバリューはありますよ。

 しゃべらせるための3つのコツもミニコラムで披露されています。これは、栗原さんと並び、初音ミクを操るもう1人の弁理士である、人生は是勉学の事の管理者さんが、反映してくれるのではないでしょうか。同サイトでは、漢字まじりの日本語文を.vsqファイルに直接書き出すperlスクリプトを公開されています。

初音ミクに喋らせてみた(Perl版011)

 これって実はすごい技術ですよね。弁理士初音ミク部ってのがあるんでしょうか?

 今回のインタビューで特におもしろかったのは、日本語では1ピッチにつき500個を要するが、英語では2500個の音素が必要だということ。このため、収録時間は日本語の倍かかるというのです。

 Sweet Annの値段が高いのにはちゃんと訳があるんですね。それと、英語の歌をうたえるようにするためには、藤田咲さん、下田麻美さんを3倍の時間拘束し、なおかつ英語のスクリプトを読ませる必要があるわけです。

 もちろん、後処理にも時間がかかることでしょう。単純にthとかlとrとか母音をいくつか追加すればいいや、くらいに思っていたわたしが浅はかでした。

 ひとつだけ残念だったのは、この別冊にはVOCALOIDのMac対応に関する情報がまったくなかったこと。剣持氏に聞いてくれてもいいのに……。ひょっとして質問はしたけど削除されちゃってたりして。

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