じゃあ、ミュージシャンは初音ミクをどう思っているのさ?
メインストリームのテレビでは、オタクのオモチャ扱いされていることが判明した初音ミクですが、プロフェッショナルなミュージシャンたちはこのことをどう思っているのでしょうか?
初音ミクで音楽作成コストが下がる!では、声優のレコーディングで、仮歌に初音ミクが使われていることが書かれていました。VOCALOIDはもともとそういう用途を想定していたと思われるので、まあ当然の流れなんでしょうね。
で、ミュージシャンがどう思っているのかについては、ほとんど聞こえてきません。
DTMマガジンやDTM関連のオンラインメディア、雑誌では取り上げることはありますけど、一般音楽雑誌もオンラインメディアもたぶん、取り上げていないと思います。
そんな中、サンレコ(Sound & Recording Magazine)の11月号が書店に置いてあったのでパラパラとめくってみたら、戸田誠司さんの連載「そこのおにいさん どこ向いてんのよ」で取り上げてましたよ。1ページまるごと。
タイトルは「オタクのためのGarageBand」。初音ミク作品についてはYouTubeやニコニコ動画で見ているそうで、
実用的なこと言えば、ガールズ・ポップやアイドルもので、ちょっとしたコーラスだの合いの手で活用するには十分だ。何より元が元だけに面倒な手間をかけなくてもカワイイ歌が聴ける。
とポジティブな評価。DAWにボーカルシンセが標準でバンドルされ、「予算がないからボーカルはシンセで」などといった言葉が飛び交う未来に思いをはせているようです。
やはり戸田さんらしく、鋭く先行きを見通しています。そういえば、以前取材したときには小学生の女の子に歌わせる企画のことを話してもらいましたが、いまなら初音ミクのままでリリースしていたかもしれませんね。
すべてのDAWはボーカルシンセを搭載し、Lyricsエディタも備えている。Optimusのような表示変更可能なボタンにはセットした歌詞が表示されて、それを押したまま鍵盤を弾けばそのまま歌えるように。Sonar/RolandにはヤマハVOCALOIDに対抗するバーチャルシンガーDV-55(ドクターボーカル)がバンドルされ、AppleのLogicにはAgnes、Vickiなどのバーチャルシンガーが付属。DAWはボーカルシンセによって売れ行きが左右されるようになるのです(このへんわたしの妄想)。
戸田さんのコラム以外にも、今月号のサンレコは「Webで始める“1人レーベル”」という特集がとっても役立ちそうなので、興味ある方は手に取ってみてはいかがでしょうか。
ほかのミュージシャンの意見も聴いてみたいですね。あと、ボーカリストがどう思うかも。機会があれば(冬休みあたりに)引退した日本最高のロックシンガーに感想を聞いてみようと思いますが、たぶんぜんぜん知らないだろうなあ。
歌がうまくないのでキーボードプレイヤーを選んだという「オンチは楽器がうまくなる」のカシオペア向谷実さんの意見もききたいところ。
追記:ほかのプロミュージシャン(和田アキコ以外)による感想、意見などを発見した方は、コメント、トラックバック、はてブなどで教えていただけるとうれしいです。
本日の初音ミク楽曲:
初音ミクが合唱祭の練習をしているようです。【流浪の民】
いつか誰かがやってくれると信じていました。カラオケにあるの知ってます?
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