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自動車分野のGX市場の創造に向けて

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経済産業省は2023年11月30日、「第15回 産業構造審議会 製造産業分科会」を開催しました。

この中から、自動車分野のGX市場の創造に向けた方向感についてとりあげたいと思います。

自動車産業は、我が国の経済を支える重要な基幹産業であり、雇用、輸出、設備投資、研究開発において大きな役割を果たしています。雇用では約1割、輸出では約2割、主要製造業の設備投資額では2割を超え、研究開発費では3割を占めているのです。また、我が国のCO2排出量においても、自動車からの排出量が約15%を占めています。

2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、電動車(電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HV))の開発が進み、合成燃料やバイオ燃料などの脱炭素燃料の開発も進行しています。海外市場、特に欧州や中国ではEV化が進展しており、世界の新車販売の約1割がEVとなっています。

自動車分野のGX市場の方向性

方向性としては、EV化の進展の中で世界市場での競争力を獲得し、脱炭素と経済成長の両立を目指すことが挙げられます。競争力の獲得には、省エネ法などによる電動車の開発と性能向上への投資促進、車両導入や蓄電池などの国内立地補助・技術開発の一体的な実施が重要です。また、製造工程全体での脱炭素化を目指し、原材料や部材のグリーン化も含める必要があるとしています。

国内市場では、2035年に乗用車の新車販売で電動車を100%にし、2030年には商用車(8t以下)で20~30%、商用車(8t超)で5000台の先行導入を目指しています。合成燃料については、2030年代前半の商用化を目標として研究開発支援が行われています。

GX市場創造に向けて

GX市場創造においては、電動車や水素、合成燃料など多様な選択肢を追求し、製造から利用、廃棄まで幅広い市場を創造していくとしています。電動化社会の構築には、単に数の追求だけでなく、性能の高い機器の導入、ユーザーの安心・安全、利便性の向上、ライフサイクル全体での持続可能性の確保などが重要です。これらは、社会全体の最適化と多面的な政策的要請との整合性をもって進められるべきです。GX市場創出には、製品の性能向上、安心・安全な環境の構築、持続可能性の確保、自動車の他分野への貢献などが重要な要素となるとしています。

自動車分野における持続可能なGX市場の創造に向けては、EVや蓄電池等の生産拠点の確保とともに、製品を 社会に普及・定着させるための環境構築が必要。また、社会全体の最適化の観点から、他分野の政策的要請とも整合的に取り組むことの必要性も挙げています。

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出典:経済産業省 第15回 産業構造審議会 製造産業分科会 2023.11.30

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