オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

IoT市場は物流や医療の分野で需要拡大、画像認識AIの技術進化も

»

IDC Japanは2023年10月31日、国内IoT市場について、2022年の実績と2027年までの予測に関するアップデートを発表しました。

IDCの調査によると、国内IoT市場におけるユーザー支出額について、2022年の実績は6 兆818 億円で、2022 年~2027 年の年間平均成長率8.6%で成長し、2027 年には9 兆1,877 億円に達すると予測しています。

今回の調査では、農業フィールド監視、スマート倉庫管理、院内クリニカルケア、テレマティクス保険などのユースケースで成長性が高いという結果となっています。

これらのユースケースについて、2023年~2027年の予測期間を通じ、CAGR 12~15%の高い成長を見込んでいます。こうしたユースケースを中心に、IoT市場全体として支出額が堅調に増加すると予測しています。

また、IDCでは2024年4月の労働時間規制の強化によって、物流や医療の分野で人手不足の影響が強まり、業務効率化に資するIoTソリューションの需要が高まるとみています。

高性能なカメラを内蔵するスマートフォンの普及による画像センサーの価格下落に伴う監視カメラの低価格化と、画像認識AIの技術進化を背景に、画像に関するユースケースでIoTソリューションの導入が増加しています。

IoT向けの通信では、2022年3月に機能仕様を凍結した3GPP(The 3rd Generation Partnership Project)のリリース17に含まれるNTN(Non-Terrestrial Network)準拠のNB-IoTなどに対応した、IoT向けの衛星通信サービスが利用できるようになりつつあります。

IDC Japanのアナリストは、

SIer(System Integrators)や通信事業者は、人手不足の影響でIoTソリューション市場が成長する物流分野に注力すべきである。また、テクノロジー別では、高い成長率が見込まれるアプリケーション、セキュリティ、アナリティクスのソフトウェアや、IoTプラットフォームなどの開発に注力すべきである

とコメントしています。

スクリーンショット 2023-11-05 20.04.43.png

出典:IDC Japan 国内IoT市場について、2022年の実績と2027年までの予測に関するアップデート 2023.10.31

Comment(0)