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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

トランプさんが大統領候補になった訳、IoTやフィンテックが流行る訳

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なるほど、アメリカは中産階級が没落してる  @@

道理でドナルド・トランプさんやバニー・サンダースさんの支持票が大きく伸びる訳だ!!

うーむ  ちょっとひどいね・・・

アメリカでT型フォードの大量生産・大量消費時代に築きあげられた「豊かな社会」が崩壊し始めています。


change in middle class metro areas

middle-class-geo-02

Pew Research Center

<出所 ピューリサーチ>

 2016年大統領選挙では民主党のバニー・サンダース上院議員や共和党のドナルド・トランプさんなどTPP反対、アメリカはモンロー主義(孤立主義)を取るべきだとか、日本も韓国も勝手に核武装しろとか、お金持ちの政府反対と主張するポピュリストが台頭しています。この傾向は欧州では前からありましたが、グローバル世界の中心である米国では初めての現象です。(日本も5-10年遅れでそうなるのでしょうか?)

 アメリカでは中間層が没落し、豊かな社会(ジョン・ケネス・ガルブレイス)が崩壊し始めています。ピューリサーチの調査では、平均所得の三分の二から二倍の層を中間層と定義し、この割合が2000年から2014年の間に229都市の内、203都市で減ったとレポートしています。全体として8%も減少しています。確かにお金持ちは逆に一部で伸びています。

この中間層の没落傾向は2008年のリーマン恐慌で加速し、これに怒ったプアーホワイトはトランプさんを支持し、一方高学歴層は怒りをウオール街にぶつけ、バニーサンダースさんを支持していると言うわけです。

一方2009年にはスマートフォン=iPhoneなどが登場し、ムーアの法則が生産性を押し上げ始めました。

リーマンショックで職を失った多くのアメリカ人は様々な創意工夫を始めました。多くのスタートアップ企業が誕生するとともに、「やっと得た旦那の職業が契約社員・・・」「それならば私が何とかせねば・・・子供がいるけど朝の2時間なら働ける・・」と言ったイメージで雇われない働き方などが一挙に普及しました。そうだ、インタ―ネットでの仕事の募集や活用、スマートホンやスマフォでできた安い部品を商品開発や機器に応用しようと言う訳です。

その結果、以下のような新しいトレンドも生まれたわけです。

①  政治におけるポピュリズムの台頭

②  IoTやフィンテックの台頭

インターネットが音楽、テレビ、書籍だけではなく工場や店舗などサプライチェーン、更に金融までも飲み込み始めた新しい資本主義(ソフトウエアが社会を食べ始めた現象)

③ 雇われない働き方の台頭

AirbnbやUber、ハンディ、ポストメーツなどの雇われない働き方、Etsyなどの趣味の手作り品販売などミニ企業家の台頭(現在、米国人の34%、2,020年には40%が何らかの雇われない働き方に関わる予測)

こう考えれば2008年のリーマンショック、2009年のiPhoneの登場は21世紀の歴史の方向を決める大きな出来事だったのかもしれません。丁度、1905年のモスクワの血の日曜日事件(ロシア革命の開始と言われている)に相当する事件と言う見方です。

最近の歴史哲学の研究では「歴史には決まったコース(共産主義やキリスト教の最後の審判などのような)はない」「ちょっとした出来事が歴史の方向を決める」となっていますので。

★★ The middle class is vanishing in America's cities

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