発売日の列に感じた奇妙な違和感、中国iPhone 6ブラックマーケット用の買い入れは世界的傾向

ネットワーキング

» 2014/09/23

　香港での発売・・・この中で業者に雇われたアルバイトは？本物のファンは？　香港では見分けがつきません・・・・

　＜出所：　出所:http://www.scmp.com＞　

　一方日本はお祭り騒ぎです・・・

　＜出所：ビジネスインサイダー＞

　ドイツです・・・・ドイツには中国人は派遣されていないようです・・・

<出所：　http://www.thelocal.de>

　ニューヨークです・・・・おおおお中国人がニューヨーク警察に逮捕されてる　・・・＠＠下の2本目の動画に続きます。

＜出所：Fortune　＞

　iPhone 6の発売日、待ち行列が世界的に水膨れし、中の様子に異変と「奇妙な違和感」が感じられたと多数のメディアが報じています。

この奇妙な違和感の正体は一体、なんでしょうか？　

■ 中国販売が遅れた訳

中国ではスマートフォンの新製品は当局に発売の認可を得る必要があります。iPhone 6に関してはそれが遅れています。

　iPhone 6は日本で初めてシムフリー版が出されました。その為、当局の認可待ちで販売の目途が立たない中国市場において3倍で転売しようと、発売日には一般ファンに交じってアップルストアにアルバイトの中国人が押しかけました。その為、待ち行列は水ぶくれしました。また大阪心斎橋のアップスストアでの売り切れに怒った一部の中国人の皆さんが騒ぎを起こし、警察が出動する騒ぎになっています。

中国人の方々が組織的に動員された訳ですね。まるで北京オリンピックの聖火リレーの列の防衛のようです。でも今回、愛国心は関係ありません。

■ 中国で立ち上がるiPhone 6ブラックマーケット

事は日本の東京や大阪だけに限った話ではありません。米国ニューヨークなどでも英語がほとんど話せない、本土から動員されたと思われる中国人が開店前の行列に黙々と多数並んで待ち行列が水膨れています。小さな割り込み騒ぎや小競り合いが多発しています。英国や豪州、香港などでも同じ現象が起こっています。何人か中国人が販売を断られたり、逮捕事例も出ているようです。

iPhone 6が解禁された先進市場で買い集めて、解禁前の中国では3倍に売れます。

この姿をブルンバーグは「中国のブラックマーケット」と呼びました。

しかし殆ど英語が話せない中国人の皆さんが2台ずつ買って、そっと転売する様子は、凄いエネルギッシュです。中国では3倍値段のiPhone 6広告が出ています。先進国の消費者は「ワクワク感」から列に並び、アルバイトで動員された中国人は「日銭稼ぎから」iPhone 6の意味もわからず、忍耐強く、単純労働として列に並びます。テックブログの指摘する「生存の欲求」を求める中国人と同じ列に並んでも「自己表現」を求める先進国の消費者の対比が面白いです。

列の奇妙な違和感は中国人＝生存の欲求、iPhone 6の価値も意味も興味なしの皆さんと先進国の生活者のワクワク感＝自己表現欲求の「落差」にあった訳ですね。

■ 過去への郷愁、昔は日本も買い占めた

そう言えば昔の日本企業もロックフェラーセンタービルなどを買い占めて顰蹙を買いました。（1989年三菱地所が2,200億円で買収）しかし日本企業には既にそう言ったエネルギーは残っていないようです。一方経済が上り坂の中国人は逞しいですねえ。48時間も辛抱強く列に並んでアップルの開店を待っています。昔の日本の働き者の工員さん達のようです。

■ 中国にプロテスタンティズム（勤勉、忍耐）を譲った日本の行く末

iPhone 6の購買列に並ぶ中国人を見ていると社会学者のマックスウエーバーが述べた「プロテスタンティズム（勤勉）」と言う忍耐力を感じます。

こう言った工場の単純労働と共に忍耐力を大きく失った日本のような先進国は、アップルやフェイスブック、グーグルのように自己表現による多様なアイデアで勝負するしかないとフィリップコトラーさんは言っています。（成熟社会における高次欲求への対処）消費者に自己表現欲求＝ワクワク感は十分あっても日本企業はそれに対する組織的な対処が出来ていないのが悲しい点です。