保険業界を狙うアップルのヘルスキットと “iWatch/iBand” 戦略
医療保険を狙うヘルスキット・・・・・
<出所9TO5マック>
ウエアラブルが「消費者領域、ビジネス領域で如何に使われるのか」は、最近のビジネスセミナーで最も多く質問が出る領域ですが、当然、筆者も必死で調べています。さてアップルがヘルスキットに関して保険業界と話を始めたとブルンバーグが伝えています。アイフォンだけの話では無く、ヘルスキットは様々なリストバンドやスマートウオッチ、血圧測定機や体重計などの健康機器に関するものなので当然、開発中の“iWatch/iBand” 戦略も絡んできます。
■ オバマケアの大きな影響
米国の企業によるリストバンドの活用はヘルスケアの領域で既に活発になろうとしています。その背景はオバマ大統領が進めているオバマケア(Affordable Care Act,)と呼ばれる保険制度の改革です。日本のように国民皆保険を実現し、国民を健康にし、生産性を高めるとともに医療費を抑えると言う運動です。
オバマケア自体は上手く行っていませんが、その世界観は企業のグループ保険や民間医療保険に既に大きな影響を与え始めています。
■ 米国BPやIBM
企業のグループ保険も企業福祉の向上の手段としてオバマケアを発想を取り入れ始めており、その一部はリストバンド(フィットビットなど)の使用を始め、既に成果が報告されています。
米国BP(英国の石油掘削企業)やIBMはグループ保険において社員にフィットビットを配布しています。日本の厚労省と経産省のデータヘルス計画もオバマケアの影響を受けています。企業に社員の健康増進と生産性の向上を期待するものです。無論、医療費削減が柱にあります。米国の場合、企業の狙いは企業負担費用の削減、社員には保険料の割引のインセンテイブを付けています。
■ 次は生命保険、医療保険の番
企業のグループ保険は多くの場合、保険会社がリスクの再引き受けをしています。そして保険会社は高額所得者の為に医療保険などを独自展開しています。ブルンバーグの記事ではアップルの交渉先として米国最大の保険会社UnitedHealthと Humanaの名前が挙がっています。既に米国の医療保険会社のUnitedHealth Group Inc. (UNH), Humana Inc. (HUM), Cigna Corp. (CI)やHighmark Inc.は保険契約にウエアラブルなど健康保険機器使用の条件を載せています。活動計の数字は保険料率に影響します。
アップルは企業のグループ保険による社員への売り込みはIBMとのアライアンスを通して実施し、保険会社の医療保険=お金持ち層には、“iWatch/iBand”を保険会社に指定してもらう戦略をとるのでしょう。
さてどうなるでしょうか。
★★Apple talked HealthKit with insurance companies UnitedHealth and Humana
★★ Wear This Device So the Boss Knows You’re Losing Weight
★★When Wearable Health Trackers Meet Your Doctor