オープン放棄戦略、アンドロイドワン、アンドロイドオート、アンドロイドウエア、アンドロイドTVは成功するか!?
■ オープンを半分放棄したグーグルのアンドロイド
グーグルIOで発表されたアンドロイドワン、アンドロイドオート、アンドロイドウエア、アンドロイドTVなどのプラットフォームは純正アンドロイドOSの使用が前提となっています。またMaterial Designをサポートする次世代のAndroid Lもマニフェストが明確でありメーカ別の独自スキンを被せたり、カスタム化に否定的です。
基本純正アンドロイドを使えと言う姿勢は、明らかにオープン化の良さの半ば放棄です。一方フラグメンテーション(ばらばら化)の問題は一定解決します。
■ モノのインターネット時代にどう対応するか
グーグルがアンドロイドのオープン戦略を半分放棄した理由は、モノのインターネット戦略にあります。モノのインターネットはスマートフォンをリモコンとして様々な機器を操作します。(M2M)そうなればアップルのMFI認証プログラムのようにスマートフォンから対象機器までの操作、接続を誰かが保証しなければなりません。間に立つサムスンやLG、ソニーなどがアンドロイドフォン用のアンドロイドOSを自在にカストマイズする現状では、機器操作(M2M)が保証できません。従がって純正アンドロイドをメーカーに使ってもらう方向に舵を切りました。
■ アンドロイドワン、アンドロイドオート、アンドロイドウエア、アンドロイドTV
アンドロイドワンは発展途上国のメーカーの為のデザインと設計図の開示、部品表や推奨メーカーの開示です。100ドル以下のアンドロイドフォンを開発する手助けをします。条件は純正アンドロイドの利用です。
アンドロイドオートはスマートフォン側のダッシュボードとのインターフェイスソフトです。車側はそれに対応したインターフェースモジュールを開発します。このアンドロイドオートを間に入ったスマートフォンメーカーに勝手に触られるとグーグルマップなどのテレマテイックスがうまく動きません。
アンドロイドウエアとアンドロイドTVは共にアンドロイド純正プラットフォームです。それを前提にアンドロイドスマートフォンと接続します。
当然、アップルのコンティニュイティやコンタクトシンクに相当すると言われている噂のアンドロイド・ニアーバイのモジュールも修正禁止でしょう。
■ メーカーがどこまで協力するか
アンドロイドオートなどはメーカー側のダッシュボードにアウデイのようにアンドロイド用とIOS用のインターフェイスモジュールを作り、使い分けるやり方があります。GMなどはこの二つに加え、自社独自のOnStar用のインターフェイスをダッシュボードに残して使い分けるでしょう。コネクテッドカーコンソーシアムのMirrorLink用の接続モジュールもダッシュボード残るかもしれません。
自動車メーカーは恐らく協力的でしょうがアンドロイドTVやアンドロイドウエア、更にサムスン、LGなど家電メーカー全体では(スマートウオッチなどへの)部分協力だけで横を向く可能性が高いです。何故ならアンドロイド・スマートフォンから様々な家電自社機器を操作する主導権を家電メーカーがグーグルに渡すとはとても思えないからです。(そこにネストラボの出番があります)一方ソニーは2015年からテレビはアンドロイド一本で行くようです。これは凄い戦略です。注目ですね。サムスンはアンドロイドテレビに完全に様子見、LGは既にWebOSとHTML5主体で動いているので子会社からアンドロイドTVを出します。
モノのインターネット時代となってアップルがMFI認証プログラムやホームキット、ヘルスキットで他社と連携し、ネット接続型総合電機メーカーを目指す中、広告ビジネスのグーグルが揺れています。
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純正アンドロイド製品 スマートウオッチ
アンドロイドオート
<出所:ギガオム>
当然、アンドロイドニアーバイも
<出所:アンドロイドポリス>
★★Google, Not Device Makers, Will Control Android Wear, Auto and TV UI
★★ Why Google and Apple’s battle to lock users into their services will stop at your car’s door
★★ When open gets a little more closed: No skins on Android Wear, Auto or TV
★★ソニー、2015年よりテレビに「Android TV」を全面採用へ