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スマート革命とパソコンの運命、マイクロソフトのWindows8は米国市場のタッチ型パソコン購入が1割程度で失敗!!?WindowsRTだけでは無かったのか?

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<序文>

 日本では生活者のパソコン購入が3割近く落ち込む中、半分程度のパソコンはWindows8タッチ型が売れているようです。しかし本場の米国ではタッチ型パソコンは人気が無く、2013年末には1割から1.5割とIDCに予測を下げられる有様です。明らかにWindows8によるパソコンタッチ戦略は失敗のようです。マイクロソフトの提唱した「メトロ経験」は生活者に受けなかったと言う事ですね。

 

WindowsRTの大幅な在庫原価償却(約9億ドル)も合わせるとマイクロソフトのタッチを全面採用したWindows戦略は、見直しを迫られるのか、それともこのまま突き進むしか無いのか、判断の難しい局面に来ています。下手をすればマイクロソフトの屋台骨が傾きかねません。

 

ガートナーグループとIDCの予測では20134月-6月期には中国レノボがHPを押さえて、パソコン業界のトップに立ちました。しかし市場規模は前年比で11.4%の減少しています。法人需要の回復が目覚ましい米国でもパソコンの生活者ニーズは急速に減少しています。

 

 

6千万本のコピーを売ったWindows8が何故失敗したのかの謎が残る


Sure Microsoft made money from it, selling those 60 million licenses early on, but Windows 8 is an incredibly important operating system for Microsoft. It’s what ties the company’s entire future together -- computers, tablets, smartphones -- and if it doesn’t work, the whole company strategy will inevitably start to crumble.

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  <出所:http://betanews.com>

★★So is Windows 8 Microsoft's ‘biggest failure ever’?

★★Microsoft's bet on touch PCs fails to pay off

 

★★Weak Touch-Based Laptop Sales Harming Windows 8′s Shot At Being The Next Big Platform

 

★★ タッチ対応でi78GBメモリー、A4ノートは上位機種が売れる――ヨドバシに聞く

 

★★パソコン世界出荷台数、レノボ初の首位 4~6月

 

★★Windows 8OS、発売から4日間で推定400万コピー販売

 

<タッチパソコンは明らかに過剰品質>

 

 IDCの調査ではタッチ型のパソコンは売れていません。台湾のエイサーも2013年末までにはタッチ型パソコン(ラップトップ)の市場規模が3035%と予想して来ました。またIDCは低めの1718%の市場規模を予想していました。しかしここにきて読みが甘かったと反省し、2013年の10%15%に変更するそうです。(IDCアナリストのボブ・ドーネル氏)NPDは既に2013年には販売されるノートブックの12%がタッチ型であると発表しています。

 

 

 

一言で言えばタッチパソコンは3Dテレビと同様に過剰品質であり、生活者にはニーズが無いと言うことなのでしょう。(タッチ型は非タッチ型よりもパネルの値段が高く、そのプレミアムを生活者が払いたがらない状況)

 

 

マイクロソフトは当初、WindowsRTと同じでタッチパソコンが一挙に大量に出ないから売れないと主張してきましたが、どうやら間違いだったようです。

 

マイクロソフトのタッチファースト戦略は、今後どうなるのでしょか?

 

<タッチアプリが揃っていないパソコンのエコシステム>

 良く考えると現行のパソコンにはタッチで操作するアプリが全く揃っていません。メール操作にしてもパワーポイントにしてもタッチは必要ありません。そうなれば値段が高いタッチ型パソコンを買う理由は、ほとんど見当たりません。

 

 少なくともソフトウエア資産の継承性を考えてもタッチ型パソコンはいらない状況です。

 

米国で売れているパソコンの9割が非タッチ型となれば、「スタートボタンだけでは無く、スタートメニューを復活させろ」などの要求が出、その声が日増しに高まる事が予想されます。

 

Windows8は下手をすればWindowsVista以上の失敗作になりかねません。その結果、多くのパソコンメーカーがマイクロソフトに対して相当疑心暗鬼になり始めています。少なくともタブレットに関してはデル以外のメーカーは、Windowsを捨て、明らかにアンドロイドや場合によってはクロームOSのパソコンを選択する方向です。世界第4位の台湾のエイサーはその急先鋒です。またエイスースも同様の動きです。

 

<冷蔵庫とトースターを一緒にする無茶は失敗?>

 Windows8タッチ型を見てアップルのテイム・クックCEOは「冷蔵庫とトースターの一体販売」と揶揄しましたが、どうやらその予測が正しかったようです。

 

<ではどんなユーザーインターフェースが受け入れられるのか?>

 確かに現状の米国市場ではユーザーインターフェースとしては旧来のマウスとキーボードが選ばれたと言う事のようです。一方リープモーションのようなジェスチャー型のユーザーインターフェースも出てきています。しかしWindows8のコピーが数百万本売れた割には、Windows8タッチ型パソコンは売れていません。(2012年の発売時には4日間で4百万本コピー販売されています)

 

さてどうなるでしょうか?

 

 

 

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