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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命とソーシャルテレビ、バルス祭りをTwitter本社が大歓迎する訳は今後予想される「ソーシャルテレビの広告売り上げの奪い合い」の激化

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<序文>

 201382日に行われた日テレの恒例の行事である「天空の城ラピュタ」におけるTwitterを活用した「バルス祭り」ですが、米国Twitter本社はサーバー負荷を過去四倍以上に拡大して、記録達成「143199TPS」を応援しました。ニコニコ動画もスタジオジブリのプロデユーサーを呼んで同時放映を行い、側面支援しています。

 

注)バルス祭り・・・放送の間、皆でバルス、バルスと言う滅びの呪文を打ち込みサーバーを落とそうと言う試み、2チャンネルから発生した日本のネット文化

 

米国のTwitter本社は花の金曜日に残業をしてまで極東の島国の為に集計を実施したそうです。

 

その背景には「激化するソーシャルテレビの広告売り上げの奪い合い」があります。

 

ソーシャルテレビの場合、広告はテレビ側とアプリ側に共に付きますが、それ全体をテレビ局が押さえるのか、動画広告も含めてTwitterが押さえるのか、はたまたフェースブックが押さえるのか、インターネットへの広告売り上げシフトも絡んで今後の注目点になりそうだからです。

 

インターネットのサービス活用発展途上国の日本では、単なる「オタクの祭り」位にしか見られていませんが、「天空の城ラピュタ」のようなテレビの広告売り上げが今後日本テレビに行くのか、それともTwitterに行くのか、ニコニコ動画が取るのか、はたまたフェースブックが割り込むのかと考えれば米国の状況を少しは理解できるかもしれません。

 

 

 

★★「バルス祭り」でつながる日本人

 

★★バルス祭りその時Twitterの中の人たちは──日本と米本社をまたいだ舞台裏

 

★★Facebook Turns Up the Volume on Its TV Ad Pitch

 

★★ New Nielsen Research Indicates Two-Way Causal Influence Between Twitter Activity and TV Viewership

 

 テレビ視聴時間は二画面方式に移行している。


<出所:eMARKETER>

 

 

<ソーシャルテレビ視聴の普及と広告の奪い合いで大混乱に陥るか米国テレビ業界>

 2013年冬に米国地上波の視聴率が前年比で17%下がると言う急速な落ち込みを見せる一方、スマートデバイスの普及により、スマートフォンやタブレットに触りながらテレビを視聴する人々の数が増えています。その結果、ソーシャルテレビと言われる一種のパブリックビューイングが普及期に入っています。

 

 そして地上波から広告売り上げが去り始める中、その受け皿として、また積極的なテレビCMの新しい形の提案としてTwitterとファースブックが名乗りを上げています。TwitterVineと呼ばれる6秒動画を立ち上げ、一方フェースブックはインスタグラムに15秒動画のサービスを立ち上げました。フェースブックは更に一日1億円から2.5億円もするソーシャルテレビ用の広告サービスを秋に向けて準備中と見られています。(30秒広告が一本、二千万円―三千万円と比較して下さい、またインスタグラムの15秒動画はテレビCMの長さを意識しています)

 

特にフェースブックのテレビ用の広告サービスは「成功すれば地上波の広告売り上げをそのまま奪う」可能性が高いと見られているだけに地上波業界もTwitterも戦々恐々としています。

 

これまでテレビのライブ放送、特に地上波のライブ放送を支えてきたソーシャルテレビ視聴ですが、今後は広告売り上げの争奪の場になりそうです。

同じことはテレビ広告とスマートフォンのアプリ広告にも当てはまりますね。

 

<米国のテレビ広告売り上げはどこに行くのか?>

 「天空の城ラピュタ」の件は極東の島国の話とは言え、確実にTwitterによるソーシャルテレビ視聴=テレビ関連の広告売り上げ取り込みにプラスになります。米国の広告主に「あれを見ろ!!」「日本じゃこんなことやっている」と言えばとても興味を示すでしょう。

 

既に米国では地上波も有料テレビも少しずつ業界規模の縮小過程に入っています。インターネットテレビの時代になってもソーシャルテレビ視聴は続きますから、テレビ広告売り上げは次第にネットにシフトしそうです。(尚、従来の予測では2015年頃まで、米国テレビ広告売り上げは横ばいからやや増加と予測されていましたが、それが変化し始めています)

 

 

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