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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命と紳士化に対する文化的反発、サンフランシスコ市がグーグルやアップルなどにバス停車場の使用料を請求するに到った訳

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<序文>

 スマート革命(モノのインターネット)の時代に突入してICT革命の社会革命や文化革命としての色彩が明確になり始めています。日本はこの点遅れています。(そう考えればタブー破りのヘイト発言(差別的な聞くに堪えない発言)を繰り返す在特会などは皮肉にもある意味、先進的と言えるのでしょうか)

 

サンフランシスコではアップルやグーグル、フェースブックなどの企業が近郊に立地する為、クリエーターなど高給取りのIT技術者が都心に回帰しています。社会学で言う「再都市化や紳士化」と言われている現象です。サンフランシスコ市から250台以上の企業バスが出ており、一日に35000人の社員を郊外のオフィスに運んでいます。(有名どころはFacebook, Google, Yahoo, Apple, Genentech, Intuit eBayなどです。また新興のドロップボックスのライバル企業であるボックスなども企業バスを使っています)

 

それに対して旧住民から「彼らのお陰で家賃が27%も上がった」とか「IPadばかり触りやがってこちらには挨拶もしない」と言った反発が高まっています。そして先日はグーグルバスの紙模型がデモ隊により燃やされました。

 

住民の中にはサンフランシスコ市にクレームして「紳士ずらの嫌な奴ら=高給取りのIT技術者を追い出してくれ」とクレームするものも出てきています。その結果、サンフランシスコ市も対策を検討した結果、市の交通局はグーグルなどにバスの駐車料を請求することに決めたそうです。(これから市議会に提出されます)

 

 

★★San Francisco May Crack Down on Corporate Shuttle Buses

 

Googlebus

A Google bus

 

Excerpt from a Stamen Design map of employee bus routes

バス路線の例

<出所:allthingsD>

 

<交通渋滞を避ける為、企業バスは必要>

 サンフランシスコ市の悩みは、企業バスを廃止すればグーグルらの社員がマイカーで通勤を始め、そうなれば交通渋滞が悪化します。だから企業バスは必要だと考えています。しかし市民からのクレームも耐えません。そこで駐車料をもらおうと言う対策に乗り出した訳です。

 

賛否両論があるようですがこれも面白い社会現象ですね。

 

<スマート革命と社会や文化の変化>

 サンフランシスコ市の古い住民からのICT技術者文化=紳士気どりに対する反発は産業革命初期のスノッブ=俗物根性と言う言葉を連想させます。

当時勃興する資本家層のお金優先の姿勢に対する貴族層の反発は「タキシード」や「背広」などの新しい服飾文化を生み出しました。一方プロテスタンテイズム(倫理的な節約志向)を信奉する人々は黒の色を好みました。こうして工業社会の背広が生まれました。米国ではスマート革命と相まって同性婚解禁などの新しい文化が起こり始めています。その結果、摩擦も激しくなっていますね。(まあブログやツイッターなども一種の文化革命であり、新たな形の歌会、連歌と言えるでしょうが)

 

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