スマート革命と選挙の纏め、２０１２年はスマートデバイス大統領選挙だった
＜序文＞
米国の２０１２年の大統領選挙は、ブッシュ・ゴアの対決となった２０００年の選挙と同様、史上稀にみる大接戦だったと言われています。現在、東海岸から投票と開票が行われています。
共和党のロムニーさんは、投票当日も選挙演説を実施していますが、米国ではこういうのはありなんですね。
さて２００８年がソーシャルメディア大統領選挙ならば、２０１２年はモバイル大統領選挙やスマートデバイス大統領選挙と呼ばれるでしょう。
民主党のオバマ陣営も共和党のロムニー陣営もスマートフォンやタブレットのアプリを開発して、地図とGPSを利用し選挙の集会場に有権者を誘導するなど色々と工夫を凝らすなどスマートデバイス活用が大きく進んだからです。
そこで少し纏めて見ました。
大統領候補討論に臨む両候補
＜出所：マシャブル＞
★★ Uber Offers ‘Freedom Rides’ to Voters on Election Day
★★ 10% of Presidential Debate Watchers Used a ‘Second Screen’
★ ★Obama, Romney Campaigns Go Mobile With New Apps
★★YouTube Partners With ABC News To Offer Its First-Ever Live Stream Of The U.S. Presidential Debates
★★ The Digital Smackdown: Obama 2008 vs. Obama 2012
★★Watch the Michelle Obama Speech That Destroyed Twitter [VIDEO]
★★ This Is What Barack Obama Looks Like Doing a Reddit AMA
選挙当日、無料のブラックセダンバスを手配したソーシャルシェアリングのｕｂｅｒ
スマートフォンなどアプリで申し込む。
無料レンタカーの手配をしたアプリレンタカーサービスのＺＩＰＣＡＲＳ
＜出所：マシャブル＞
アン・ロムニ―対ミッシェル・オバマ
ファーストレイディの女王の座を巡る女の戦いはスマートフォンからのツイート合戦
典型的なソーシャルテレビの演出
＜出所：マシャブル＞
何とオバマ献金はスクエアのアプリ！！ロムニー陣営も後から参加！！
＜出所：ギズモード＞
選挙集会への案内はＧＰＳと地図のアプリ
＜出所：マシャブル＞
＜選挙運動はいつの間にかモバイルにシフト＞
２００８年がフェースブック大統領選挙として戦われ、それは一人一台のパソコンとブラウザー活用により支えられていました。
ところが２０１２年の大統領選挙は、YouTubeにおける民主党大会、共和党大会の中継などモバイルアプリで（スマートフォンやタブレットにより）何時でもどこでも・・・ながらで視聴できる状況に大きく変わってきています。
■ ソーシャルテレビ
アン・ロムニーとミッシェル・オバマの候補指名受諾演説に花を添えた女の戦いもYouTubeで中継され、モバイルアプリで視聴されました。フェースブックよりもスマート機器に強いツイッターの数で勝敗を見極める試みも多くなされました。アン・ロムニーとミッシェル・オバマの戦いはツイッターの数の勝負と言われ、まるでソーシャルテレビそのものでした。
また１０月に三回実施された大統領候補のディベート（更に副大統領候補のディベートが一回）もテレビを見ながら約１０％の視聴者がセカンドスクリーン（タブレットやスマートフォン）を片手にツイッターを触りながら視聴したと報道されています。
■ カジュアルシフト
写真のインスタグラムには両候補の選挙運動の集会の写真などが集会参加者によりスマートフォンから投稿されています。何時でも何処でも・・ながらのスマートデバイス時代には文字では無く、写真や絵文字でカジュアルな自己表現をする時代ですから。
ちょっと古いかなと思ったのはパソコンからオバマ候補がReddit上でQ&Aに答えていたシーンだけでした。
■ ネイティブアプリの勝利
各地で行われた選挙集会にもスマートフォンアプリと地図とGPSが活躍しました。もしここで両陣営がHTML5を活用していたら、今後のアプリの流れは変わったかもしれません。
＜大統領選挙はマーケティングの実験、ビジネス界に影響する＞
大統領選挙は一種のマーケティングの実験場であり、選挙後のビジネス面での技術活用のあり方に大きく影響します。
またオバマ陣営は小口寄付にスクエアによるクレジットカード決済を活用し、スマートデバイス大統領選挙を盛り上げました。その結果、スクエアなどの決済は選挙後、ビジネス業界に広まると言う見方が出ています。
投票日の極めつけはソーシャルシェアリングのアプリを提供するUberなどが選挙民を投票所に無料で乗せるタクシーなどのサービスを提供した点でしょう。スマートデバイスから乗客とタクシー（一部白タクも含む）をマッチングするサービスです。
さて次は選挙後のビジネス界への影響が見ものです。