キンドルが中々出ない、サーフェスが出ない、Windowsphone8が出ない、グーグルテレビも出ない、家電は大赤字で体力がない、スマート敗戦に見る日本衰退の始まり!!
<序文>
この秋頃から世界に先駆けて世界に誇る一ギガのブロードバンドサービスを本格的に実現した日本が、「サービス面での改革」が遅れ、その結果、スマート敗戦に直面し、衰退の危機を迎えています。インフラやスマート機器としての単なるハードウエアは開発できるのですが、サービス支配論理に準拠したキンドルが出ない、サーフェスが出ない、Windowsphone8が出ない、グーグルテレビも出ない、おまけに家電は大赤字で体力がないと言う状況が起こっています。これは正にスマート敗戦と呼ぶべき性格のものでしょう。米国の革新企業の一部に見放される事態、こんな事が続けば日本は先進国から脱落する危惧を感じます。(流石にグーグルのネクサス7は販売されていますが。)
日本はインフラやスマート機器の部品開発では世界一の国かもしれません。しかしスマート革命により「モノ支配論理」から「サービス支配論理」へと情報家電が変化する中、一ギガのブロードバンドサービスの国をグーグルもマイクロソフトもアマゾンも「エコシステムが保守的」、「完成品メーカーも保守的」と考えてパスし始めました。筆者は決して日本の生活者=消費者は保守的とは思えないのですが。
残念ながらこの国は産業革命初期において日本だけが東アジアにおいて明治維新=市民革命に成功した成功体験を新たな変化の時代=情報革命の本格化にあたって既に忘れ去っているようです。(優れた成功体験は忘れて欲しくないのですが。)
その点韓国はこの秋、グーグルテレビの10番目の採用国になっています。中国でもこの秋、Windowsphone8が出ます。
表象文化論を当てはめるならば、もしかして先日の中国の反日暴動は、新たな日清戦争の敗北と言った意味を持っているのかもしれません。
★★Google TV、韓国でスタート LG UplusがIPTVのSTBで採用
★★ WindowsPhone8の開発を中国のファーウェイが受託
台湾勢も韓国勢も中国企業も開発するWindowsPhone8
<出所:http://ggsoku.com/2012/09/windows-phone-8-size-comparison/>
<一ギガのブロードバンドの上の保守的なエコシステム>
この秋、通信キャリアは一斉に約五〇〇〇円(月額)前後の値段で一ギガのブロードバンドサービスを開始しました。その背景には無線インターネットにおけるNTTドコモなどの75メガー150メガ程度のLTEの導入(2012年秋―2013年春頃)があります。共に韓国に比肩する世界一を誇る通信インフラです。一方アメリカではグーグルがカンサス市に於いて一ギガのブロードバンドサービスの実験を誇っていると言う、全く遅れた石器時代のような状況です。
日本はインフラや一定のハード機器に見る「モノ支配論理」では必ずしも負けていません。
しかしインフラやハード機器の上に載る「サービス支配論理」を支えるエコシステムに関しては、米国は明らかに進んでおり、日本は絶対的に遅れています。
これは意思決定と動きが遅い電子出版業界、中々コンテンツをインターネットに出さない音楽や放送業界、モノ作りは得意でもサービス作りが苦手な家電業界が形成する超保守的なエコシステム(生態系)の差のせいと申せましょう。
その結果、一ギガのブロードバンドや100メガのブロードバンドの上に「電子書籍や放送などが自由に載らない状況」になり始めています。例えば番組のロケーションフリーが自由に出来ない状況、自宅の外で録画をスマート機器で自由に視聴出来ない状況では、一体、高速ブロードバンドに何を載せるのでしょうか?
アップルに対抗したり、アップルのサービスを採用しつつも、自社のサービスを花盛りにして土管屋になるのを必死で防いでいるセルラーフォンの国内通信キャリア3社のサービス支配論理への理解と努力は、一定評価できますが。
<スマート敗戦と国の衰退の始まり>
その結果、キンドルが中々出ない、サーフェスが出ない、Windowsphone8が出ない、グーグルテレビも出ない、家電は大赤字で体力がないと言うスマート敗戦状況になってきました。アマゾン、グーグル、マイクロソフトなど米国勢が嫌気を示すのも無理からぬことです。その内、アップルも同じことを言いだすかもしれません。
「モノ支配論理」に囚われ「サービス支配論理」に移行できない日本ですが、その内、一ギガのブロードバンドや100メガのブロードバンドの上にペンペン草が生えるのかもしれません。