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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

スマート革命の進展:省エネはほんの一部に過ぎないスマートハウス

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<序文>

一人一台のパソコン操作に代わって一人で七種類のスマート機器を活用するスマート革命の進展の中、自宅にWiFiネットワークの根と茎が生えてその上に様々なサービスの森が茂り始めています。これはスマートハウスと呼ばれ、欧米が先行しています。スマートハウスは日本ではHEMSと呼ばれる省エネが100%のように言われています。しかしこれは東日本大震災などが増幅した視野の狭い見方です。スマートグリッドなど省エネ関連が重要である点は否定しませんが、ホームコントロールや防火防犯、健康管理、教育、娯楽など様々な領域のサービスがスマートハウスの上にのります。スマートハウスはホームICTと呼ばれることもあります。

 

★★ ホームICTに関するフィールドトライアルの展開について

 

★★ NTT、家電とネット連携の「ホームICT」実現に向けたトライアル

 

<スマート革命が促進するホームICT>

国内では2009年頃からスマートハウス=ホームICTの実証実験は実施されていました。各家電メーカーに加えてNTTグループやKDDIとCATV各社、住宅関係各社などが熱心でした。それに加えて省エネの関係で電力関係や自動車会社などが事業に加わっています。

さて米国ではスマートフォンやタブレットが広く普及した為、自宅の外からの自宅に対するサービスニーズが出始めました。具体的には独身者の場合、帰宅直前のタイミングでの室内の温度と照明の設定などです。これまで暗く冷たいマンションに一人寂しく帰っていた独身者は、スマートフォンなどからの操作により、帰宅時に快適な環境が手に入るようになりました。

また働く母親は、子供の帰宅を外からスマートフォンで確認できるようになりました。その後ベービーシッターが訪問した時は、相手の顔を確認して自宅の鍵を開けると言ったサービスが可能になっています。

バカンスに旅行に出かけた時、自宅地域の天気が良ければ、タブレットから庭のスプリンクラーに水撒きを旅行先から指示することも可能です。

また自宅に撮りためたドラマを旅行先のホテルから視聴することも出来ます。(ロケーションフリーの活用)

スマート革命と連動してスマートハウスのサービスは現実のものとなりました。

例えばベライゾンコミュニケーションは、月額9.99ドルで基本サービスを展開しています。(2011年9月)

 

 

★★ Verizon Home Monitoring and Control

 スマートフォンやタブレット、ラップトップパソコンからの自宅操作

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 ベービーシッターの確認

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<出所:ベライゾンコミュニケーション>

<通信キャリアのサービス支配論理実現>

 従来、世界中の通信キャリアは電話のサービスで収益を上げて来ました。そして通信キャリアは従来、固定電話、ブロードバンド、有料テレビ(CATVなど)のトリプルプレイで稼ぎ、顧客を囲い込んでいました。それに携帯電話サービスが加わるとクオッドプレイになります。

 

しかし電話のサービスはスカイプやラインなどの普及により、着実に無料化=フリーの方向に向かっています。そうした中、スマートハウスはトリプルプレイやクオッドプレイに追加し、その落ち込みを補う新たなサービスとして登場しています。ホームコントロールや防火防犯、省エネなどが基本です。更に健康管理や医療だけでは無く、食事の作り置きやベイビーシッター、ネットスーパーや見守りなどありとあらゆるサービスが登場し、スマートホームの上に森のように繁茂し始めています。

 

 

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