<序文>

オラクルの2011年の決算が予想を下回りました。

またIBMやSAP、オラクルなどの間でクラウドサービスの新興企業買収が続いています。

 

そこで米国で俄かに浮上しているのがプライベートクラウドを嘗ての大型汎用機からオープン系のサーバーへの「ダウンサイジングの再来」と見る見方です。

コスト削減が急激な為、大手の伝統企業(サービスベンダー)はクラウドサービスの競争力がありません。そして彼らはそのためのDNA(ビジネス遺伝子)が欠如しているといわれ始めています。

クラウドサービスの信頼性の議論の後には、特にプライベートクラウドの領域では嘗ての「ダウンサイジングの再来」の議論が日本でも巻き起こりそうです。

 

★★Oracle: Warning of another tech slowdown?

 

 

 ★ Linux Will Eat Oracle's Lunch in 2012, Says Analyst

 

 

★★ Is there a cloud bubble?

嘗てのヒーローであり、故ジョブス氏の理解者であったオラクル、ラリー・エリソン氏

彼は日本をこよなく愛し、自宅に日本庭園を造っていた。

 Larryellison

<出所:ビジネスインサイダー>

 

<オラクルの決算>

米国の経営誌フォーチュンによれば2011年11月末の第三四半期決算でオラクルは全年同期比2%売り上げが伸びたもののアナリストの予測数字92億ドルを下回る88億ドルの数字を発表しました。株価は12%下がったそうです。好調な業績のオラクルにはあまり過去例の無い事なので関心を呼び、そこからオラクルのビジネスモデルが時代にそぐわないものであり、構造的に古いと言う見方が広がり始めています。

 

 

<ブランド製品の衰退と無印良品製品の台頭の時代>

例えばクラウドコンピューティングの流行により、企業のIT部門ではUNIXからオープンソースのリナックスへの移行が始まっています。そして同時にオラクルの得意なデータベースの選択もNoSQL, Hadoopのようなオープンソースが好まれ始めています。

 

その結果、2009年に買収したサンマイクロのUNIXベースのソラリスサーバーやオラクルのデータベースの売り上げが衰え始めているとの報告が出ています。(The 451 Groupのアナリストジェイ・ライマン氏の調査結果などを参照)

 

The 451 Groupのアナリストジェイ・ライマン氏の調査結果によれば、2012年にはオラクルが衰退を始める見通しだと見られています。

 

同氏だけではなく幾つかの類似の見方が出ていますが、事はオラクルだけの問題ではなく、SAPやIBM、HPなどの既存のブランドベンダーも同じ傾向に陥り始めていると言う見方があります。

 

背景にあるのはパブリックにしろプライベートにしろ、クラウドコンピューティングの台頭です。その結果、従来からのブランド製品(サーバーやストレージ、ソフトウエア製品)が売れなくなり、無印良品というべき名も無い安いサーバーやオープンソースのソフトが採用されるトレンドです。

 

約30%-40%もコストが下がると見積もられているため、米国大手企業のIT部門はこれを無視できなくなり始めているそうです。

 

既存のITベンダーは競争力に欠けるため、新興クラウドサービスベンダーの買収に走っています。

 

 Oracle RightNow Technologies (RNOW),を買収
 SAP SuccessFactors (SFSF) を買収
 IBM DemandTec (DMAN)を買収

 

<大型汎用機からUNIXへのダウンサイジングの再来>

 デジャブ(既視感)と言う言葉がぴったりな上記の現象は、大型汎用機からUNIXへのダウンサイジングの再来と言う見方が相応しいと考えられます。

 

今から10年ちょっと前、ダウンサイジングやライトサイジングと言う用語が流行りました。オープンシステムを活用すればコストが劇的に下がると言うのが当時の売り文句でした。(クラウドサービスにより30%-40%もコストが下がるとすれば同じ事が起きても不思議ではありません。)


 当時は高信頼性を要求されるITシステムは大型汎用機に暫く残して、あまり高い信頼性が求められない情報系の仕組みからUNIXサーバーに移行させようと言う動きでした。「今で言うビッグデータの分析からクラウドを使え」見たいな話です。HPやSAP、オラクルはこのころ台頭した企業です。

 

<多くのソフトウエアベンダーが衰退し、2010年代に相応しい振興勢力が台頭するだろう>

以前のダウンサイジングの波の中で米国ではハネウエルなど多くの汎用大型機メーカーが潰れIBMなど1-2社が生き残りました。日本では多くのコンピューターメーカーが生き残りましたが、今回はグルーバルな動きに広がる可能性もあり、相当数の既存ベンダーが衰退しそうです。

 

上記の記事では米国において2012年にはオラクル、SAPやIBM、HPにとって代わる時代の精神を代表する新しいプレイヤーが台頭するだろうと予測しています。

 

次は国内の番ですね。

borg7of9

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コメント
TETSU 2012/01/06 14:42

ダウンサイジングの再来?
うーん、どうなんだろう?破壊的という意味では近い気もするけど・・・
どっちかというとダウンサイジングの逆行っていうか、クラウドってネットの向こうへということだから、逆に汎用機の時代に逆戻りって方が近い気がします。あの頃はネットの向こうの汎用機が何をしていたのかユーザ側は認識する必要がありませんでしたからw

今は先進ユーザーがクラウドを使って、オープンソースをうまく利用して構築したのが注目されてますが、これがプライベートクラウドで一般企業に広まるかは懐疑的です。そんなに自社内に技術力をもったユーザ企業は少ないでしょう(特に日本では、アメリカだと小売りでも技術者を大量に雇っていたりするけど)
より安く、でもより使いやすく、より安定しているものが今後は求められてくると思います。そうなるとちゃんとした技術力をもった企業の重要性はあがってくるでしょう。

山崎秀夫 2012/01/06 15:00

コメント有難うございます。色々な見方がありますね。
各社のit部門がパソコンを組み立てるようにセンターやサーバーを組み立てる時代が来るかどうかですが、2012年の米国トレンドを見て日本もフォロウすると思っています。日本はモノマネは得意ですから。^^

 このテーマでは米国でどういった新しいサービスや新興企業がが立ち上がるかに注目しています。


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始めまして、日本ナレッジマネジメント学会専務理事の山崎秀夫です。ソーシャルメディアの動向に関する情報発信を時々行います。

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