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テレビのデジタル化がドライビングフォースとなり、全ての情報メディアが一旦、収縮する時代の羅針盤

グーグルテレビに焦るアプル、既存のiTunesストアと切り離されたアプルテレビ改訂版発表

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<序文>


 2010年は元年と期待された3Dテレビの販売が振るわない中、欧米では2割近いテレビの販売がコネクトテレビになると言う予想が出ています。グーグルテレビ、否、ソニーのインターネットテレビ対抗と言うことでサムソンが米国でアップス開発コンテンストを7千万ドルを投じて開始する中、91日アプルがアプルテレビの改訂版を発表しました。


しかし活用されているのがiOSと名乗っていない点、内臓ディスクも無くiTunes ストアとは切り離されている点、アップスの販売に言及されていない点などABC放送とフォックステレビによるレンタルストリーム販売を優先して焦って出したと言う感想です。

 

<アプルテレビ改訂版発表の内容>


201091日、メディアを招待して米国で行われたアプルの発表内容はざっと眺めると以下のようなものでした。

 iOSとは名乗っていない。従ってアップスは買えない。

 内臓ディスクも無い為、アプルストアの映画の購買はパソコンやiPadなどを経由するしか見る手段がありません。アップスは買えず、コンテンツも購買できません。

引用(マーシャブル)

For instance, although the new device sports an A4 processor like the iPhone 4 and iPad, it isn’t being classified as an “iOS” device. Presumably at its core, the new Apple TV is running iOS, or at least something very similar to iOS, but the App Store (App Store) is not coming to the television, at least not directly.

 引用終わり

 

一方ABC放送とフォックステレビによるレンタルストリーム購買は可能となっています。値段はテレビドラマ(高品位)は99セント、最新映画は $4.99 (高品位)です。(当初はアプルテレビ対応だけらしい。)

引用(マーシャブル)

Because content is not stored on the device, instead streamed from a computer or from an Internet (Internet) service, Apple has introduced a new rental pricing plan. TV show rentals are just $0.99 for HD and first-run movies are $4.99 for HD. These prices are very competitive, especially in the HD space.

引用終わり

 

■ Netflix, YouTube (YouTube) そしてFlickr は利用可能
   新たにネットフリックスが追加された訳ですね。

■ 9月末に販売開始、値段は99ドル

 内臓ディスクをはずし、改定前の機器よりも200ドル値段を下げています。

 

 A4 processorを使っているが、iOSとは名乗っていない

 従ってiTunesからアップスは購買できないことになります。

 プレースシフトが可能

  AirPlayがそのサービスです。これはセットトップボックスで受けたドラマや映画を2代目テレビやパソコン、iPhoneなどに転送して視聴するサービスを言います。


AirPlayの場合にはiPhone or iPad で購買した映画などをアップルテレビで見られるようにした訳ですね。確かにアップルテレビでは内臓ディスクも無く、iTunesの音楽や映画などを購買できないわけですから、他に方法が無い訳ですね。

  これはちょっと苦肉の策という気がします。

 iPhoneのリモコン活用は可能

★★New Apple TV Adds Netflix, iTunes Rentals and iPad Streaming for $99

 

     

 ★★ Updates From Apple’s iPod and Apple TV Event


 ★★ Samsung Free the TV Developer Day – San Jose


   

<アプルテレビ改訂版は珍しく暫定的な対応>

 

iPhone or iPad またパソコン用のiTunesストアとお互いに切り離されたアプルテレビ改訂版発表と言う事は、明らかに暫定措置だと考えられます。

 

グーグルテレビの場合にはマルチデバイス共通のアップス利用、共通のコンテンツ利用などのメリットがあります。しかし今回のアプルテレビ改訂版は、とりあえずアップス販売やメディア間のiOSなどによる共通化は横に置いて急ぎグーグルテレビ対抗機種を出したと思われます。

 

テレビのビジネスはハリウッドも含めて既にコネクトテレビ(スマートテレビ)を織り込み済みで動き始めています。レンタルDVDのブロックバスターが倒産直前と言う報道の一方ネットフリックスが伸びHuluが有料サービスを開始し、YouTubeがライブ放送や映画やドラマの販売に急に注力を始めたのもグーグル+ソニーによるスマートテレビ(グーグルテレビ)の動きがコネクトテレビ(スマートテレビ)の中心にあるからです。

 

アプルは兎に角、戦線に再度名乗りを上げ、12年以内に恐らくテレビ本体に出る準備しているのでしょう。アプルテレビの改訂版はアプルには珍しく暫定対応と言う気がします。

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