中村昭典の、気ままな数値解析:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 中村昭典の、気ままな数値解析

○人、○%、○億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

 とうとう4月。送別会ラッシュが過ぎ去ったと思ったら、今度は職場にフレッシュな顔が溢れる時期となりました。大学はまもなく入学式、初々しい新入学生を迎え入れる準備が慌ただしくなっています。
 
 3月31日の夜、わたしは恒例となっている作業に深夜まで勤しんでいました。それは、職務経歴書を書くこと。ここ【10年】もの間、毎年この時期になると行っている、わたしにとって大事な区切りの行事です。転職された経験のある方、あるいは転職を考えている方にはおなじみの職務経歴書ですが、わたしが書いているそれは、少々意味合いが違います。
わたしにとって職務経歴書を書くことは、大げさに言えば、年に1回、自分のキャリアを棚卸しすることなのです。
 
 職務経歴書には、これまで経験した職務内容、習得した技術やスキル、取得した資格、そして残した実績などをできるだけ詳細に書いています。実際に転職活動を行う場合に提出を求められる職務経歴書には、企業毎に定型書式がある場合も多いのですが、わたしはそれにとらわれず、上述した内容をまとめらるような独自のフォームを作っています。そして年度末から年度初めという何かと区切りとなるこの時期に、職務経歴書を書きながら、いろんなことを考えます。
 
 わたしが初めて職務経歴書を書いたのは、リクルートを辞めたときです。以後大学に移ってから毎年、この作業を続けているのですが、それには3つくらいの理由があります。今回から3回に分けてお話ししたいと思います。
 
 ::: ::: :::
 
<理由その1 これまでの自分を客観視する>
 
 実際に職務経歴書を書いたことがある方なら実感あると思うのですが、これはなかなか重い作業です。経歴を時系列で淡々と列記する履歴書とは異なり、自分の経験やスキルを具体的に書き記すのは、簡単ではありません。「職務経歴書の書き方ノウハウ50」「人と差がつく職務経歴書の書き方」みたいな記事を、わたしはリクルート在籍時に担当していた『とらばーゆ』『B-ing』の編集記事で、何度となく制作してきました。でも、いざ自分が職務経歴書を書こうとしたら、これが何日かけても完成しないのです。お恥ずかしい話ですが、本当に悩みました。
 
 
取得した資格、身に付けた技能、担当した肩書きといった、いわゆるスペック的なものは単純明快です。しかし、自分の経験した職務は、それだけではとうてい表現しきれないのが普通です。自分は何をしてきたんだろう、何が身に付いているんだろう、それは他人とどう違うんだろう、人事担当者から見たら魅力的に見えるんだろうか…。散々記事に書いてきたようなことが、いざ職務経歴書を前にして、自分に当てはめてみようと思うと、まるで書けないのです。
 
 つまり、
自分の職歴、自分の仕事人生を客観視できないのです。それを他者にわかりやすく、説得力持って伝えることができないのです。この経験以降、わたしは自分の歩んできたことを冷静に振り返り、何を積み重ねてきたのか、きちんと振り返る大事さを痛感し、年に一度まとめてみることにしました。
 
 
10年も続けてくると、毎年書き加えることはそんなに多くありません。各項目で数行でしょうか。でも、書き加えることができた数行は、本当に重さを感じます。たとえば今年度は2冊の本を出しましたので、それを書き記すことができました。僅か数行ですが、自分にとってはとっても重みのある、価値ある数行だったと思っています。
 
 逆に1行すら書けない項目もあります。これ、寂しいんですよ。結構堪えますね。また書く内容があっても、読み通してみると紆余曲折ばかりで積み重ねに欠けるような場合もある(というか、これが普通かも)でしょう。でも落胆するのではなく、これはこれできっちり反省材料にすればいいと思っています。
 
 転職したいとかしたくないとかは別にして、年に一度くらい、自分の歩んできた足跡をゆっくり振り返ってみることは、とても貴重なことだと思います。それをわたしは職務経歴書を使って行っているわけです。
 
※4/1 12:17 タイトルを一部修正しました

中村昭典

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プロフィール

中村昭典

中村昭典

元リクルート・就職情報誌編集長。現在は大学でキャリア支援領域の教育研究者。
「一人でも多くの人に、働く楽しさを伝える」をテーマに、いろいろ試行錯誤する日々です。
趣味は海山畑で食材を調達すること、カフェで一人ボーっとしながら人間観察すること

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