●人、●%、●億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

【1,008件】キャリア教育では学生が動かない?を妄想してみる

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今は「キャリアデザイン」という言葉が一般名詞化してきているようで、いろんなところで、この言葉を見かけます。じゃあ、「キャリアデザイン」って何かと尋ねれば、その答えは十人十色だったりして、明確なような気もしますし、明確でないような気もします。ま、それはおいておいて。
 
「キャリアデザイン」というワードをamazonで検索してみると、1,008件もヒットするから驚きです。ちなみに「就職」だと41,541件。「雇用」だと13,557件。このジャンルで実にたくさんの書籍が出ていることがわかります。ある意味、それだけ世間の関心事、ということになるのでしょうか。新聞を見ても、「雇用」「就職」「キャリア」という言葉を見かけない日はないくらい。いろんな人が、いろんなところで、
いろんなことを口にしています。
 
仕事柄、わたしもそうした書籍やニュースによく目を通します。特に、学生の就職を話題にしたものには、一通り目配りをします。そんなときによく感じることですが、仮にある人が指摘する通りだとして、じゃあその人が相手にしている学生にそれが伝わっているのか、その人が説いたことが学生を動かしているのかといえば、それはまた別の話だと思っています。
 
もう少し具体的に書きましょう。キャリア論なら、「働く意義とは」とか、「社会人に必要な力とは」とか。就職活動対策なら、「企業の人事は学生をこう見ている」とか、「エントリーシートはこう書こう」とか。本当にたくさんの意見?ノウハウ?が、日々学生に向けてメッセージされているわけですが、いくらそれが正しいと思えることだとしても、それが学生にどれだけ理解されているのかという疑問が常について回ります。いわゆる上位校の学生ですら、大人たちが伝えるキャリアの、就活のアレコレを、きちんと理解している学生は少ないんじゃないかなと。
 
つまり、キャリアの話の大半は、社会に出ていろんな経験をして、それこそ酸いも甘いもかみ分けて、やっと、何となく、ぼんやりわかってくるようなことだと思うのです。そうした大人の目線からすれば、「その通りだ!」と思うようなことでも、社会経験のない学生に、それをちゃんと理解させる、腹落ちさせるのは、相当難しいと思うわけです。そこを踏まえずにしゃべられると、どうもしっくり来ないことが多くあります。またある学生にはフィットしても、その友だちにもフィットするかと言えば、そんなことはないわけで。キャリア観なんて三者三様、十人十色なのですから、万人に通用するノウハウなどというものはないのかもしれません。

今じゃどの大学でも「キャリアデザイン」または類する名称の科目が開講されていて、それこそいろんなキャリア論が展開されているわけですが(他人事じゃないのですが)、そこでは、「何をやっても、なかなか学生が動かない」という悩みをよく耳にします。
 
もっともらしいキャリア論が空を切ってしまうとするならば、それは、「働いたことのない学生が、働く意義とか、何が向いているとか、わかるというのは無理がある話だよね」というところに、少なからず起因するのではないか。もしかしたら、働いてはじめて実感できるようなキャリア論を、社会経験のない学生相手に振りかざしてはいないか。ふと、そんなことを思ってみたり。

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