中村昭典の、気ままな数値解析:ITmediaオルタナティブ・ブログ (RSS) 中村昭典の、気ままな数値解析

○人、○%、○億円…メディアにあふれる「数値」から、世の中のことをちょっと考えてみましょう

 2月も終盤にさしかかり、大学では卒業式が間近になってきました。このところ学内ではリクルートスーツ姿の学生を見かける機会が増えています。大半が3年生のようですが、昨今の就職難で、未だ就活中の4年生も含まれている模様。何かと厳しい卒業・入学シーズンを迎えようとしています。
 
 本ブログではこれまで何度となく学生の就活を取り上げ、その中で、学生が一部の大手企業に集中する実態について触れてきました。社会経験に乏しい学生の就活が、限られた知識やイメージなどに左右されてしまうのは致し方ない一面もあるかと思います。しかし昨今の情勢を踏まえれば、仕方ないと片づけるわけにもいかないでしょう。
 
 一方、こんな時代でも、よい人材に巡り会えない中小企業がたくさんあります。限られた採用予算とマンパワーで、思うように求人活動を行えず、人材不足に喘いでいる中小企業が数多くあるというのが実態でしょう。
 
 元々
中小企業は従業員数が少ないわけですから、大手企業に比して人材1名が占める比率が大きい。つまり、1名を採用するリスクが大きく、失敗が許されないというジレンマを抱えています。採用して短期間で辞められた時の損失を考え、なかなか採用に踏み切れないというケースをこれまで何度も目にしてきました。
 
 ::: ::: :::
 
 そんな状況に救世主となるかもしれない施策が始まろうとしています。経産省が発表した、インターンシップを活用した雇用促進プログラムです。

経済産業省は今春卒業予定で就職先が決まっていない高校生・大学生ら5000人を対象に、中小企業でのインターンシップを実施する。半年間の実習プログラムに参加する学生と中小企業の双方に助成金を支給。民間の就職支援企業が専門家を派遣し、実習や就職活動の相談にも応じる。人材不足に悩む中小企業との接点を設け、就職難を緩和する狙いだ。

  ※NIKKEI NET BIZ+PLUS 2010年2月10日付け記事より一部引用

 インターンシップといえば、学生の就労体験を目的として主に3年生を対象に実施されることが多いプログラム。大学では就職支援の一環として参加促進を図っており、単位化を推進するところも増えています。参加する学生はあくまで就労体験が目的ですから、賃金が支払われるケースは私の知る限り皆無です。
 
 しかし今回の経産省の施策では、
参加する学生に日給【7,000】円が支払われ、いわばアルバイト的に働きながら就労体験を積むことが可能。その過程で、これまでなかなか目が向かなかった中小企業での仕事のやりがいを見つけてもらおうという狙いです。
 
 画期的だと思われるのは、
雇用、いやインターンシップに協力する中小企業側にも助成金が出るという点。企業側は人件費負担がない戦力を提供され、しかもインターンシップを通じて半年間ゆっくり学生を見極めることができ、もし良い人材だと判断できれば、プログラム期間終了後に正式採用することも可能になるでしょう。
 
 私には、今回の施策が大変意義深いものに映ります。5,000人という枠でスタートするようですが、効果が上がればより枠を拡大していけばよいでしょう。採用する側、就職する側の双方にメリットのある就活お見合いプログラムとして、どこまで実効性を上げられるか。経過、結果に注目したいと思います。。。
 
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中村昭典

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プロフィール

中村昭典

中村昭典

元リクルート・就職情報誌編集長。現在は大学でキャリア支援領域の教育研究者。
「一人でも多くの人に、働く楽しさを伝える」をテーマに、いろいろ試行錯誤する日々です。
趣味は海山畑で食材を調達すること、カフェで一人ボーっとしながら人間観察すること

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