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夏目房之介の「で?」

映画『日本沈没』他

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録画してあった映画『日本沈没』(1973)は予想外にしっかり作られていて面白かった。というか、現在のほうがむしろ地震への危機感は強く切迫感があった。あの時代によくここまで作り込んだと思う。最後のほうで「これまで日本人は母のような島に逃げ込めたが、これからはそれができない」みたいなセリフがあって、当時の日本と世界の関係のイメージってそうだったんだなあと嘆息。そういえば漫画の世界でもまだ具体的な海外世界の像は焦点を結んでいなかった。日本を出て海外に飛ぶところで、普通は連載が終了していた時代である。原作をじつは読んでいないのだが、あるいは小松左京の少国民世代としての国家観だったろうか。他にもなかなかおしゃれなコメディ『鍵泥棒のメソッド』(2012)、ちょっと暗いが劇団ひとりの『青天の霹靂』(2014)なんかも面白かった。

『日本沈没』https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%B2%88%E6%B2%A1-%E5%B0%8F%E6%9E%97%E6%A1%82%E6%A8%B9/dp/B00FIWU50A

『鍵泥棒のメソッド』 https://eiga.com/movie/57323/

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