(003)部下の営業案件に危機が起こった時貴方ならどうします?
営業やっていると下駄を履くまで(契約もらうまで)分からない!!
順調に商談が進んで稟議プロセスに進むであろうと計算していた矢先思わぬ状況変化が起こり客先プロセスが止まってしまう、、、こんなことはよくあることです。私なんか契約書をもらったら一目散会社に帰りたくなるタイプです。お茶でも飲んでいってよ、と誘われたりするともう上の空、お客様の気が変わることが恐ろしいのです。
今回はサウジの減産放棄が引き金でWTI原油価格が急落し世界規模で逆オイルショックが起こり世界でLNG(液化天然ガス)開発関連ビジネスに食い込んでいる日本企業への打撃が懸念される一件を仮設例題にして、こんな時の営業マネジャーの対応について触れます。
原油暴落により採算割れ危機の米国内のシエールガス層での石油ガス探査事業は大幅な縮小に波及して経営不安が表面化してきました。
米国シェールガス企業の多くが社債で資金調達していてさらなる社債の発行が事実上不可能になっています。
以下は増田経済研究所が選んだ主なLPG&シェールガス関連企業です. 6ヶ月先を読む株価は軒並み下落トレンドです。
・1605国際石油開発帝石 ・1662石油資源開発
・1963日揮 ・1976明星工業
・1983東芝プラントシステム ・2768双日
・3433トーカロ ・5411ジェイ エフ イー
・6247日阪製作所 ・6355住友精密工業
・6362石井鐵工所 ・6366千代田化工建設
・6369トーヨーカネツ ・6379新興プランテック
・6486イーグル工業 ・6841横河電機
・7003三井造船 ・7013IHI
・8031三井物産
さあ、こんな時に営業マネジャーは部下の営業マンにどんな支援ができるんでしょうか?
まさか、若い営業に早くお客さんに行って状況聞いて来い!!と丸投げしますか?
お客様の商談窓口に"どんな影響が"出ますかね?"と聞くだけですか?
担当営業マンが育ててきた営業案件の取りこぼしを防ぐのが営業マネジャーに大きな役目です。
ここは経験豊富なマネジャーの出番です。
今商談中の案件はお客様経営計画の何処の何に貢献・寄与する投資なのか?立ち戻ることが大事です。上場企業であれば、中期経営計画とか決算説明会資料がHomePageに公開されてます。
中期経営計画書には、成長戦略・注力事業が書いてあり、その実現をサポートする基盤整備は何をやるのか?も書かれています。
未公開企業であればその多くが大手の協力企業ですから親会社の影響がそのまま出てくると考えて間違いありません。
貴方の提案とどう関係するのかよく見る必要があります。
・単に安くやれるものを調達する案件なのか?
・事業戦略を実現させる為の戦略的調達案件なのか?
振り返ってみることです。
オーナー企業は別としてボトムアップ型の日本企業は、危機が起こるとTopから検討中止指令が出なくても"暫く上申するのは控えよう、、"という空気を自ら作る傾向があります。万が一慎重論が表面化した場合の打開策を事前に探る必要があります。ここは経験豊富な営業マネジャーの出番なのです。
・情報収集は担当窓口だけに留まらず複数Key部門のTopにアプローチして縦横斜めから状況を探ります。商談窓口Topの秘書さんは自分の上司が信頼を持って関わっているベンダーは何処なのか?敏感に感じているものです。大事なことは窓口Topの方だけではなくその秘書さんなのです。たまには秘書さんに気持ちだけでも郷里の手土産を持参するなど気配りが加われば協力者になってもらえます、気は心なのです。秘書さんにお願いすれば面識のない他部門役員の秘書さんにつないでもらえアポが取れる可能性が高いのです。役員の秘書さん同士はこういう連携をしてくれると考えて間違いありません。これをお願いできるのは営業マネジャーでありこうやって複数部門のTopに接触を深めるのです。それには前提があります。相談窓口Topの方に"この営業マネジャーは誠実で熱心で当社のことを良く考えてくれている、、、"という感情を与えていることが不可欠であります。こういうことは秘書さんに以心伝心で伝わるのです。
ここで普段の努力が実を結び思いも寄らぬ打開策情報を入手できる可能性が出てくるのです。