【図解】コレ１枚でわかるAIエージェント

» 2024/06/18

コンピュータには、「OS」が搭載され、コンピュータを操作するうえでの利便性が高まりました。

たとえば、データの入出力操作や通信、プログラムの実行などで、ユーザーは細かな指示をしなくても、「コマンドを入力する」、「アイコンをクリックする」などだけで、コンピュータを動かすために必要な詳細な指定や命令に変換して、人間に代わって操作してくれる OS へと進化したわけです。もはや人間は、OS の介在なしにコンピュータを使うことはありません。

「AI エージェント」は、コンピュータにとっての OS のように、人間がしたいことを伝えれば、その意図をくみ取り、ソフトウェアやサービスの最適な組合せを選択し、人間に代わって適切な操作を任せることができます。もし、必要な情報が不足していれば、「ここはどうしますか?」や「いつものやり方でいいですか?」などと対話的に意図を確認してくれますし、人間がそれらの機能や操作方法を熟知していなくても、「AI エージェント」が人間に代わって適切に操作してくれます。まるで自分のことを理解し、何でも言うことを聞いてくれる「頭脳明晰な自分専用のアシスタント」のような存在です。

現時点では、「何でも言うことを聞いてくれる」AI エージェントが実現している訳ではありません。しかし、システムの開発や運用、マーケティングのリサーチやレポートの作成など、特定の業務に特化したAI エージェントは登場し始めています。

そんな AI エージェントが当たり前になれば、ソフトウェアは、人間にとっての使い勝手を気にせずに、システムにとっての合理性を追求して作ることができるようになり、シンプルで効率的なソフトウェアが実現できるかもしれません。

また、「AI エージェント」は、ユーザーが使うソフトウェアやサービスのすべての操作をデータで捉えることができます。そんな「AI エージェント」を独占できれば、ユーザーのさまざまな行動データも独占的に手に入れることができます。

データがビジネスの覇権を左右するいま、生成 AI での覇権を競う OpenAI や Microsoft、Google、Meta などの企業は、「どんな質問にも答えてくれる」チャット AI を「どんな仕事も人間に代わってこなしてくれる」AI エージェントへと進化させて、その地位を手に入れようとしています。

AI エージェントによる利便性向上を推し進める背景には、このような思惑があることも理解しておくべきでしょう。

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