神社の杜のワーキング・プレイス 8KUMO 駐車場ができて材木の加工が始まる

建設工事が着々と進んでいます。

伐採して残った大量の赤松の根を抜根し、整地します。そして、その道路に面した入口付近に、駐車場をつくるため、抜いた根っ子をひっくり返して地面に生め、その上に土砂を入れて地盤を固める作業をしました。

根っ子を地中に埋めてしまうと、地面からしみ出す水に浸るようになり、空気に触れなくなり、腐りにくくなります。特に赤松は油分も多く、昔から地盤を固めるために使われていました。例えば、松本城は、膨大な赤松の杭を地面に埋めて、地盤を固めているのですが、築城から400年以上経ったいまも、巨大な石垣と天守を支えています。

松本城には到底及びませんが、そんな伝統的な技法で、駐車場の地盤を固めています。

そうやって整地した地面に砂利を敷き詰め、まずは駐車場が完成です。もちろん、この駐車場は、利用者のために使われるのですが、まずは建設作業者が頻繁に出入りすることで、さらにしっかりと地盤が固まることでしょう。

管理棟の建設に使う木材も、製材が終わり加工場に入ってきています。全ての木材を8KUMOの森で賄うことはできませんが、八ヶ岳周辺で育った材木です。

ここに並んでいるのは、八ヶ岳の北麓、八千穂の唐松を製材したものです。まだ、この３倍は必要になるとのことです。また、8KUMOの森で伐採した赤松は、建物の梁として使われます。

建物は、基本的に釘を一切使いません。全ては、伝統的な木組みによって組み上げます。そのために、材木を加工していくのですが、これは見ていて楽しいというか、凄い作業ですね。基本的には、乾燥しきっていない材木を使いますので、材木が縮むことも想定しなくてはなりません。その上での木組みですから、設計の精度もさることながら、職人たちの技量も大いに問われることになります。

彼らの作業を見ていると、完全に「アジャイル開発」なんですよ。棟梁がスクラムマスターで、職人集団が自律したチームです。彼らは、毎日の朝会でのスタンドアップ・ミーティング、KPTを使った振り返りを行い、自分たちで進捗と品質を管理しています。現場の判断で、柔軟に変更に対応し、とにかく良い建物を建てようと、それぞれが知恵を出し合い、意見を交わしながら作業を進めています。心理的安全性もしっかりと担保されているようです。

この会社の社長に「Joy inc.」を紹介したところ、なるほどとなり、基本的にはいままでやって来たことと本質的には変わらないのですが、かなり洗練されたやり方になったようです。

2022年の春の竣工を目指して、皆さん頑張ってくれています。

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