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結局EPUBで販売可能な市場が拡大すれば、EPUBに反対する人の声は小さくなっていくのだ!

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谷川さんがすでに書いているけれど、昨日はアマゾンと楽天から電子書籍関連の大きな発表があって、7月のブックフェアのことを考えると残された数日でGoogleとAppleから何か発表あったりするのかな?と思ったり。

電子書籍リーダー関係の発表前は出版社や書店サイトが電子書籍フォーマットとしてEPUB3の電子書籍の販売を行ってくというニュースがいくつか発表されてました。

EPUB3の仕様制定にあたってはW3Cの制定するHTMLとCSS仕様に縦書き等の機能を含む日本語組版を導入、それをEPUB3に取り込むという非常に理想的な流れが実現しており、まだ実験的な要素も含まれるのですが、イースト株式会社の高瀬さんによるInternet Explorer 10 の日本語組版、ここまで出来るという資料が昨日スライドシェアにアップされました。

ビジネスの話の中では必ずデバイスの保有者がどれだけの数居て、なおかつ読書に利用するユーザどれだけいるだ?という話になりますが、EPUBがW3Cの制定するHTMLとCSS仕様と関係性を維持してくれる事で、専用デバイスはもちろんのこと、webブラウザでも電子書籍を楽しむ環境が整備される事を意味します。

これは現在各社が取り組んでいる異なるOSやデバイス間で統合的な閲覧環境を提供するためのビューワー開発している開発会社の苦労の軽減、ワンソースで多くの端末に対応させたい出版社、自分のもっているデバイスのどれでも自由に楽しみたい読者にメリットを与える筈。(ただしDMRフリーの方向で話が進む前提ですけど)

EPUB3なりEPUB2で作成した電子書籍コンテンツを楽しめる環境が急速に展開する今の流れは、時期を正確に予想することは出来ないけれど、黒船の襲来と同様、必ず訪れるのは電子書籍ビジネスに首を突っ込んだ人間なら誰もが分かっていた事。

緊デジは、その事業プランを策定する段階でEPUBフォーマットでの読書環境整備が全然進んでいなかった手前、電子書籍コンテンツを広く普及させるという目的からするとXMDFと.bookを選択した事は妥当な選択だったと思います。

ちなみに、オランダ王立図書館のEPUBフォーマットの長期保存に関するレポートでも、

フォーマットの違いについての調査結果viewer supportの項目で、EPUB2はGoodとしながらも、EPUB 3についてはPoor (no viewer support whatsoever as of May 2012)と明記されていて、まとめの

8.3 Recommendations: EPUB for archival storage

1. For now16, do not accept EPUB 3 publications, until adoption and viewer support have improved.

中略

8. For now19, do not use EPUB for publications that are heavily dependent on advanced layout and typography. Examples are scientific and technical publications, publications that contain mathematical equations, textbooks and comic books. Once the adoption and support of EPUB 3 have improved, this recommendation may need to be revised, as EPUB 3 should overcome most of EPUB 2's current limitations in this regard.

こちらでもEPUB3の閲覧環境が整わないと受け入れできないって事と、EPUB2に不向きなコンテンツの指摘と3が超えるべき課題について言及してますからね。

ただこのタイミングでEPUB3に流れが大きくシフトしはじめ(閲覧環境を含め環境整備が急速に進展してきた中で)、制作会社を選定してこれから6万冊の電子化を行うという段階で、アマゾンや楽天が始動してやはりこっちのデバイスで読書したいってニーズは相当な数に上ると思うのです。

こうなってくると政府に助成してもらって費用負担はしてもらえるけれど、kindleやkoboとの親和性が低い電子書籍コンテンツを作ってもらうのか、自社負担だけれど今後のマーケット展開をにらんで、新しいフォーマットのほうにチャレンジするのか、出版社のビジネススタイルが問われる場面も出てこようかと。

kindleとKoboスペック的に段階はありますけど、安価なタイプはEインクタイプなんで、スキャンデータを貼り付けたタイプの電子書籍のデータ容量は大きく、この手の端末に向いているのはテキストベースの小説、文芸書の類になります。

OCR作業やテキスト入力を経て電子化するより、スキャン画像から作る電子書籍は確かに制作コスト激安で、まず多くの電子書籍を流通させるために経済原理からすればこの方法しかないだろって結論になるのも分からなくはないのですが、kindleやkoboが提供してくれる読書体験って違うとこなんですよね…(端末から検索、読みたい本があれば気軽にデータをダウンロードってのも売りのひとつなんで)

日本語という特殊環境がある限りガラパゴス状態でビジネスを続けることが可能が企業もあるでしょうし、冒頭申し上げたようにW3Cの制定するHTMLとCSS仕様の流れを汲んだEPUBフォーマットの汎用性を活かした稼ぎ方もあるはず。

EPUB3は国際規格化に向けた議論や準備が着々と進んでいるようで、

日本独自規格とどっちが良い悪いの問題ではなく、これからは世界を相手に仕事していく必要があるというニュースやら記事、特集をたくさん目にしますけど、それが本当ならやっぱどっちの方向性で進んでいくのかは明らかな気がするんですよね。

緊デジの事業タイミングにEPUB3はうまく絡むことできなかったけれど、あくまでこれは経過としての小さい出来事であり、EPUB2と3の両方の良さを活かした電子書籍閲覧環境がそろい初めてからがやはり本番なんだよなと。

多くの読者の方がここに参入してくれるろ色んなフィードバックがあって、これをベースに改善が行われ進化していくというのは流れとしては真っ当な感じしますよねw

そんな遠くない先のために、谷川さんと踏ん張っているeBookProでは(苦笑)EUB3に関してのセミナーを今日と来月にも開催、これ以降も定期的なセミナー開催を予定しています。

そして、次回7月26日開催のセミナーをよりよくするために以下のEPUBに関するアンケート調査にご協力いただければ幸いです。

eBookPro凄くインディーズな存在ではあるのですが、逆にそのポジションを活かした活動をしていきたいと思っていますw

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