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「コスト削減」ってどうやるの?

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オルタナティブ・ブログのばんちょ~からのお題に対して、既に多くのエントリーが寄せられているので、遅きに失しているような気もするが、テクネコさんにも「最近、ブロガーとしてははしくれちゃってるよねぇ」と言われているので(苦笑)、たまには真面目に書いてみたい、と思う。

真面目に書く=内容があるもの、となるかどうかは別だが・・・。改めて書くまでも無いことかもしれないが・・・。

コスト(cost)を家に転がっている研究社の「新英和中辞典」でひくと、こう書いてある(名詞的利用に関して)。

1:代価、値段、原価

2:費用、失費、(時間、労力などの)犠牲、損害

3:訴訟費用

このうち、3は別にして、一般的に「コスト削減」というと1:や2:を減らすことになるのだろう。ここでは、ビジネスユースで、何かを買ったり、サービス提供を受けたり、ということに対する出費という意味で「コスト」を捉えてみたい。

実は、先日まで、少人数で「コスト削減」について、ちょっとした勉強をしていたことがあった。

それぞれバックボーンの異なる人が集まっていた、ということもあるのだが、そこで議論していて気がついたことがあった。

会社に対して差し支えない範囲でご紹介する。

企業における出費は、当然某かの実を取るために支払う訳である。短期的な実入りか、将来実を結ぶべくの先行投資か、といった所の違いはあれど、某かの目的があるから出費をしているはずである。

とすると、やはり、「コスト削減」を考えるためには、費用対効果を考えずには居られないはずである。

式に書いてみると、下のようになる。

 効果 ・・・a)
――――
 費用 ・・・b)

ここで単純にb)だけ減らすことなんてできるだろうか?

b)を減らすためには、

1)払うべき費用の金額を弾力化する(ex.価格交渉する、代替品に切り替える 等)

2)今、払っている費用項目そのものを減らす(ex.人件費、残業代、外部委託の内製化 等)

といった方法が考えられる。

この時、1)の価格交渉は無理だ、と諦める必要は無いが、当然相手のあることだから、自分達の希望どおりの削減ができるかどうかはわからない。ここで、自分達の希望を押し通そうとすると、その企業の取引関係においては下請け法違反等にも問われてしまうかもしれないので、あまりアテにできるものではない。

代替品に切り替えることができる、ということは代替ができることを知っている、つまりそれで賄える=得られる効果が変わらないことが理解できている、ということだから、事実上、b)を減らす、というよりは、a)の維持も考慮できていることになる。

2)において、そもそもa)が0であることが証明できている費用項目があれば減らせることは容易だが、そんなものがあるのであれば、”そもそも発生させていること”自体が問題なのであり、それは「コスト削減」とかに取り組む以前の話であろう。となると、結局、a)がその多寡は別にしていくらかあるものに対してそれが費用項目として減らせるか、ということになる。

そうなると、あえて例に書いた、人件費、残業代、外部委託の内製化、等の人系の費用ボリュームゾーンに手を付けたくなるのだが、ここに関して言えば、小林さん竹内さんが書かれていたとおり、削ってしまうことによって失われるa)がどれぐらいあるか、をきちんと認識しておくことが必要になる。

結果から言えば、効果の構造を分解して、それがMUSTかWANTかを把握していくしか無いのではないか、と思う。

それは、本当に必要な「サービスレベル」かどうか、ということだ。

「あったら便利だ」、「いつかはわからないけどそういう絵姿になるかもしれないからそうしてある」、「将来的にはこうするつもりだ(と言い続けて早や幾年、事実そういう方向に向けた着実な推進はしていない、できていない)」といったものは所詮WANT項目なのだから落として良いのでは無いか?

また、管理の都合上からか、全員が同じことができるようにしていても、実際利用する側から見ると利用できるシチュエーションに無かったり(時間や場所、役割的な制約等)といったものも、多少細分化することによる管理費は増えるかもしれないが、見直しができるものかもしれない。IT機器のスペックやソフトウェアのライセンス費用等がここにあたる。組織の規模や業務の役割によるが、「全員が全員同じことができるようにする」というのは案外絵に描いた餅に終わることが多いように思う。

とこれを読む皆様からすれば「そんなの当たり前」的な話に終始してしまったが、最後に一つだけ。

前述の、異なるバックボーンを持つ人の中に、「コスト削減」と言っているのに、同じb)でa)をもっと増やすこと、を提唱した人が居たのには正直驚いた。

確かに、費用対効果で考えるのであれば、a)÷b)を最大化する中では、もっと大きなa)が得られるのも相対的には「コスト削減」かもしれない。

・・・”財布の金が増える訳ではない”ので、「とにかく目に見えて金を増やせ!」という大号令の下では通用しない考え方かもしれないが、少なく共自分が持ち合わせていない感性だったので、ここでご紹介させていただく。

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