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「SOA大全」を推薦する

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今、仲間内で、ある本が話題になっている。その本は「SOA大全」(ディルク・クラフツイックの共著、山下眞澄監修、日経BP社刊)で、話題の理由は二点。一点はディルク氏が近々来日し、今週末に公開セミナを開催する。そこで勉強に購入し読み始めたら、結構素晴らしい、真面目に勉強してよい本というのが理由の二点目である。

企業成長の実現の為に、ITシステムに依存する度合いが、年々大きくなっている現在、ITシステムには、高度な柔軟性と俊敏性が期待されている。本書はその柔軟性と俊敏性を実現するための「IT革新のロードマップ」を、システムに関わるすべての関係者(ソフトウエアアーキテクト、エバンジェリスト、設計者、アナリスト、開発者、IT企画部門担当者、プロジェクトマネジャー、製品ベンダー)に具体的に平易に示している。「IT革新のロードマップ」は、「アーキテクチャのロードマップ」と「組織のロードマップ」の二つに分割されている。IT革新はIT技術と人・組織の両面から、とういことである。

サービス概念の進化・分散コンピューティングを説き、「アーキテクチャのロードマップ」編では、SOA・エンタープライズ層の認識・BPMとプロセス制御・サービスバス・Webアプリケーション構築・EAI・B2B等々。  「組織のロードマップ」編では、動機づけ・組織のSOAロードマップ・組織全体への標準等々。

ITが変わることの必要性と必然性を説き、技術と人・組織の両方のロードマップを示している。まさに私たちが痛感する所である。BPM協会が目指す最大の山脈がここにある。

原題はEnterprise SOAで、訳は山下さんの監訳のもと数名のIBMの技術者の方々があたっている。原本の良さは訳者に拠るのが海外本の常だが、この本の素晴らしさは、IBMの方々の見識の高さと訳の素晴らしさと思う。感謝の念も含め、賞賛の拍手をお送りしたい。

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