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ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

たぶん「解像度を上げてください」と言ってもなかなか思うような回答は得られない気がします

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ITに強いビジネスライターの森川ミユキです。

私が意識しだしたのは昨年ぐらいからですが、おそらく3、4年前ぐらいから使われるようになったのであろう、主にコンサルタントが好んで使う表現に「解像度を上げる」というのがあります。

わかるようでわからない言葉です。

そのものズバリ、『解像度を上げる』という本が出ていまして、実は読んだことがないのですが、その要約がこちらにございます。

【要約】解像度を上げる 曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法|本のまとめ。

いちおう定義っぽいことが冒頭に書いてあるので、それを引用させていただきます。

「提案書を作ってみたが何か抜けている気がする」「この人の話は分かりにくい。説得力に欠ける気がする」このような状態を「解像度が低い」と言います。逆に明晰な思考ができている状態を「解像度が高い」と表現します。

「解像度」という言葉を使うことが本当に必要なんでしょうか?――とちょっと思ってしまいました。

もう1つ。こちらは2019年の記事ですので、「解像度」という言葉を紹介している記事としてはかなり古いほうだと思います。

成長するビジネスマンが持っている"解像度"という概念

こちらにも定義っぽいものがありますので引用させていただきます。

「解像度が低い」というのは、カメラのピンボケのような状態を指します。ぼやーっとしていて、それが何を指すのかわからないようなときに、解像度が低いと表現されます。

「解像度が高い」というのは、ピントがバッチリあったような状態で、細部まできれいに明確に見えるということです。

これだと「解像度が高い/低い」というより「ピントが合っている/合っていない」という感じです。ただそれだけではなく、おそらく4K画像のようなクリアなイメージがあるのでしょう。つまり「画素数が多い上にピントもあっている」ということじゃないでしょうか。多くの人は、この意味で使っているように思います。

ただ・・・

私がインタビュアーだとして、相手のお話がイマイチよくわからないので、「すみません。もう少し解像度を上げてもらえますか?」と言っても、思うような回答は得られない気がします。

そうでなくても「イメージがつかめないので、もう少し具体的にお話ししてもらえませんか?」とお願いしても、もっと詳しい話や丁寧な説明をするだけで、具体例(事例)を上げてくれない人がほとんどなのです。なので今は「エピソードや事例を教えてもらえますか」とはっきり言うようにしています。

「解像度を上げてください」なんてお願いしたら、どんな話になることか。

ということは、あまり現場のコミュニケーションでは使わないほうがいい言葉なのかもしれませんね。


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