ITに強いビジネスライターとして、企業システムの開発・運用に関する記事や、ITベンダーの導入事例・顧客向けコラム等を多数書いてきた筆者が、仕事を通じて得た知見をシェアいたします。

どうしたらチームが活性化するのか?

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「メンバーが指示待ちで自律的に働いてくれない」

「依存心の強いメンバーが多く、手取り足取り教えないと何もできない」

「チームの雰囲気が暗く、様々な手段で盛り上げようとするのだがまったく響かない」

「やる気のないメンバーがいて、褒めても叱っても行動してくれない」

「スキルが低いくせに勉強もしようとしないメンバーがいて困る」

「どうもメンバーに嫌われているようだ・・・」

このような悩みを持つリーダー、マネージャーは、世の中には多いのではないでしょうか?

別にいいかげんにやっているわけではありません。それどころか、マネジメント本やリーダーシップ本を読みあさり、研修にも何度か参加して、その都度新しい取り組みをするのだが、どうしてもチームが活性化しない。

朝礼や定例会議で意見を求めても出てこないし、仕事が忙しいのを理由に会議に参加しないメンバーさえいる。

「何かあればいつでも相談しにこいよ」と言っても、誰も相談に来ない。

中には、メンバーがうつ病になったり、辞職してしまったという方もおられるかもしれません。

――実は私がそうでした。某SI企業でグループリーダーを務めていたときに、15人いたグループメンバーが立て続けに5人辞めてしまったことがありました。

グループができた当初は、とても活気があったのですが、その後プロジェクトが次々と火を噴き、あっという間に暗いグループになってしまったのです。メンバーよりも先にリーダーの私が神経を病んでしまい、異動することとなりました。

● あなたがこの所長だったらどうしますか?

オルタナティブ・ブログの読者にはIT関係の職場で働いている方が多いのではないでしょうか。だとしたら、技術ではなく営業の話で恐縮ですが、年齢的にはリーダークラスの方やこれからリーダーになられる方も多いと思います。たぶんヒントになることもあるので、良かったらお付き合いください。少なくとも私のような悲惨なことにはならないヒントを。

キャンペーンのために作られた営業所に、派遣会社経由で所長として赴任してきたら、スタッフはほぼ全員が営業初心者だった。初月の営業成績は全国100箇所の営業所のうちで最下位。本部から呼び出されて、今月もノルマを達成できなければ担当営業所を廃止すると言われた。

cover_s.pngあなたがもしこの営業所長だったらどうしますか?

あきらめて、次の派遣先を探してもらうよう派遣会社にお願いしますか?

それとも「もっとマシなスタッフをください」とかけ合いますか?

スタッフに「必死で売ってこい! 売れないやつはクビだ」とハッパをかけますか?

これは2月22日発売予定の拙著『奇跡の営業所』の設定ですが、実はこのような目に本当にあった人がいます。

「ちいさな会社」の経営コンサルタント・吉見範一さんです。

吉見さんは、ほぼこの通りの営業所に赴任して、半年後には3カ月間ダントツの日本一の営業所に変えました。私はこの話を聞いて号泣し、その感動を多くの方に伝えようと、2009年にきこ書房から上梓させてもらいました。今回発売するものは、2009年版に大幅な加筆・修正を加えたものです。

吉見さんはその後、500回もの講演活動を通じて、多くの営業パーソンに影響を与えています。現在では、"Y's CLUB"という中小企業経営者や自営業者向けの「学び合い」の会を主催し、ユニークで世の役に立つ商品・サービスを普及させるための支援をしています。

● 吉見さんはなぜ「奇跡」を起こせたのか?

『奇跡の営業所』には営業のノウハウも数多く書いていますが、それ以上に私が書きたかったことは、「初心者」同然のスタッフの集まりでも、その力を結集すれば「奇跡」のような成果を達成できるということです。

残念ながら私の体験ではありません。ただ、私は吉見さんとは正反対のことをしていたと、今回の加筆・修正作業を通じて、徐々に気づいていきました。

私は、部下と「タテの関係」を築こうとしていました。

技術については、少なくとも部下に負けないレベルをキープし、マネジメントや提案力などのビジネススキルは部下よりもずっと高いレベルであろうとしました。

そして、その高みから部下を引っ張り、成果を上げれば褒め、失敗したら叱責するというやり方で、部下を「支配」しようと考えていました。

しかし、続けていくうちに部下たちの心は徐々に私から離れていきました。私自身、高みに居続けることが苦痛になり、だんだん仕事がいいかげんになっていきました。

その後は悪循環が続き、最終的には先ほど書いたような始末となりました。部下にも会社にも多大な迷惑をかけてしまい、今でも悔いが残っています。

私がやるべきことは何だったのか?

それは、吉見さんが実際にやった、部下との間に「ヨコの関係」を作ることだったと、今では思います。

吉見さんは部下をまず尊敬し、100%の信頼をしました。

当たり前ですが、メンバーがリーダーを尊敬し信頼しなければ、チームは活性化しません。そして、さらに当たり前ですが、先に相手を尊敬し信頼しなければ、それらを受けることもありません。

まずリーダー自身が部下を尊敬し信頼する。そしてメンバーからも尊敬し信頼してもらう。お互いに尊敬と信頼をし合う「ヨコの関係」作りこそが、チームの活性化にまず必要なことなのです。

私はそんな当たり前のことが分かっていませんでした。

しかし分かっていても、人を尊敬し信頼することは難しいことです。だから多くのリーダーがチームの活性化に失敗しているのです。

● ではどうしたらいいか?

難しいこととはいえ、これが出発点です。チームがギクシャクしていると感じるのであれば、まずはメンバーを尊敬し信頼するところから始めましょう。

そうやってヨコの関係が出来上がってくると、メンバーのやる気のスイッチが入るようになります。なぜならヨコの関係はとても居心地がいいので、メンバーはこのチームを自分の居場所と感じるようになるからです。

人間、優秀であろうがそうでなかろうが、自分の居場所を守るためには実力以上の力を発揮します。率先して仕事をするようになります。そのような状態になってはじめて、マネジメント本やリーダーシップ本、あるいは研修で得た知見が本当の意味で役に立つようになるのです。

職場が居場所というのは古い考えのように感じる人もいるでしょう。ですが、そうではありません。実際、シリコンバレーの企業でも「職場が自分の居場所」と感じるようにするための施策が取られ始めています。そうしないと優秀なスタッフがどんどん流出するし、発展途上のメンバーが育たないということが分かってきたからです。

その施策では、リーダーとメンバーの間にパーソナルな関係を構築することが重視されています。プライバシーを公表し合うということではなく、人間と人間のヨコの関係を作るという意味です。

● 身近にそんなチームがなかったら

しかし、どうやってヨコの関係を作ればいいのでしょうか?

あなたの会社にも、活気があり、チームメンバーがリーダーを尊敬し信頼しているチームがあると思います。そのようなチームをよく観察することからはじめてはいかがでしょうか?

さらに、そのチームのリーダーやメンバーに話を聞いてみたらいかがでしょうか?

ですが、中にはそのようなチームが身近に見当たらないという方もおられるかもしれません。

もしそうであれば、『奇跡の営業所』を読んでみてください。四六判220ページにわたって、そのようなチームが出来上がるまでの物語とその解説が書いてある本です。

※現在、「はじめに」から第1部の終わり(P97)までPDFで無料で読むことができます。読みたい方はこちらから。

あなたが営業マネージャーならそのままヒントになりますし、他の職種だとしても、少なくとも私が陥ったような状態にならないためのヒントが得られるはずです。

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