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「あまちゃん」を楽しむために意識しておきたい7つの対立軸

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NHKの朝の連続テレビ小説「あまちゃん」が話題になっています。
ぼくも、面白いという評判を聞いて、
途中から録画しておいたものを、最近まとめて見たら、
その面白さにはまってしまい、
NHKオンデマンドで第1回から全部通して見ました。。

これだけはまったのは、
昔「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」に
はまって以来ではないかと思います。

ドラマとしてはまだ完結していませんが、
個人的には、今まで見たドラマの中で一番面白いと断言します。

ストーリーや、ヒットした理由などについては、
以下の記事がよくまとまっています。

NHK朝の連ドラ「あまちゃん」はなぜヒットしたか (プレジデント) - Yahoo!ニュース

「あまちゃん」が面白いと思う理由をあげると、
宮藤官九郎の脚本、ストーリーがとてもよくできていること、
主人公の天野アキを演じる能年玲奈が、
まさにこの役をやるために生まれてきたのではないかと思うほどはまっていること、
個性的でユニークは俳優陣が脇を固めていること、
アイドルがドラマのテーマとなっていること、
小ネタが満載で人によっていろいろな楽しみ方ができることなどです。

特に、ドラマで重要なキーとなっている1980年代のアイドルシーンを、
ぼく自身が大学生時代にリアルに経験し、
その後出版社に入ってアイドル雑誌の編集者として
アイドルに関わる仕事をしていたので、
より楽しめるというのはあります。

ちょうど今日の深夜から3日連続で、まだ見たことがない人向けに、
「あまちゃん」のダイジェスト版が放送されます。

[あまちゃん]3日連続「朝まで“あま”テレビ」! 深夜に一挙ダイジェスト放送 | エンタメ | マイナビニュース

ストーリー設定にいろいろな対立軸が含まれていて、
それを意識しながら見ると、より楽しめると思います。
いくつかあげてみます。

・都会と田舎
主な舞台が東京と岩手県の北三陸市(久慈市がモデルの架空の都市)。
ヒロインのアキは東京出身ながら田舎が好きでおかしな方言をしゃべり、
アキの親友のユイは、田舎育ちで東京に憧れ標準語をしゃべる。

・光と影
表に出る光的な存在と、影で光を引き立てる存在。
例えば、海女としてアイドル的存在になったものの
なかなかウニを取れないアキに、
影武者としてウニを取って渡してあげる中年海女。
アイドルグループの「アメ横女学園」の正規メンバーと、
シャドウとして、正規メンバーになにかあったときに代役をするため
奈落でレッスンにはげむアキたちGMTのメンバー。
映画で主演デビューしたアイドル女優と、
音痴なその女優に代わって影武者として歌うアイドルのたまご。

・現実と虚構
アイドル自体、もともと「偶像」という意味で虚構的なもの。
地方アイドルによる町おこしが一つのテーマで、
虚構的存在が現実を変えていく。
現実世界でトップアイドルだった小泉今日子が、
ドラマという虚構の中では、
アイドルを目指しながらなれなかったという設定。
現実の福田萌やさかなくん、橋幸夫がドラマに本人役で登場。
ドラマの中で使われた歌が、現実世界でもリリースされヒット。

・現在と過去
ヒロインの母親がアイドルを目指して
家出をして東京へ行った1980年代当時のことが、
現在にいろいろな影響を与えている。

・親と子
ヒロインのアキと母親の春子、
その春子と春子の母親の夏の関係が
ストーリーの一つの軸になっている。

・鉄道と車
ヒロインの母親をめぐり三角関係にある、
元夫の正宗が個人タクシーの運転手、
幼なじみの大吉が北三陸鉄道の駅長で
大吉はモータリゼーションを敵視している。

・お笑いとシリアス
全体としてはコメディでありながら、
実はシリアスなテーマが含まれていて、
いろいろと考えさせられる内容になっている。

ドラマは対立構造から生まれてくるわけで、
これらのいろいろな対立構造をうまくからませているところが
「あまちゃん」のストーリーの面白さになっていると思います。
宮藤官九郎さんの脚本は本当に素晴らしいですね。

まだ「あまちゃん」を見たことがないという方は、
ぜひ上に上げた対立軸を意識してみながら、
まずはダイジェスト版をチェックしてみてください。

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