今こそ「希望」を語ろう
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作家の村上龍氏と、評論家の東浩紀氏が、ニューヨーク・タイムズ紙に「希望」をテーマにした文を寄稿されたそうです。
私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。
今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。
「危機的状況の中の希望 - Time Out Tokyo」より
日本人の間で「公共」についてこれほど取り沙汰されているのを、僕は見たことが無かった。つい最近まで日本人と政府は、愚痴と口論にまみれた、優柔不断で自己中心的な存在かのように見えていた。しかし、今彼らは別人になったかのように、一丸となって国を守ろうとしている。若い世代の言葉で言うと、日本人は完全に「キャラ」を変えたかのようだ。そして、奇妙なことだが、日本人は日本人であることに誇りを持ち始めた。もちろん、ナショナリズムと容易につながってしまうであろうこのキャラを不快に思うことにも議論の余地はある。すでにウェブ上ではそのような懸念も見かける。しかしそうであっても、僕はこの現象に一縷の希望の光を見出している。
「木蓮の陰から : 東浩紀氏、東北関東大震災についてNew York Times紙に寄稿」より
今朝の朝刊を見たら、週刊ポストと週刊現代の広告が並んで掲載されていました。週刊ポストの特集は「日本を信じよう」、週刊現代の特集は「福島原発 これから始まる「本当の恐怖」」でした。週刊誌は今まで、ネガティブ情報を拡大してあおるイメージが大きかったので買うことはほとんどありませんでしたが、今回の週刊ポストはぜひ買って読んでみたいと思いました。もちろんジャーナリズムにはできるだけ正確な情報を伝えようとする姿勢が大切ですが、変に不安をあおるようなことはせずに、読む人を元気づけられるような報道、記事もどんどん掲載してほしいと思います。
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