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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

組織のお話~「さらゆる」か「べときつ」~

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長く外資系にいたせいか、基本的に仕事の人間関係は「さら」っとしている方に慣れているし、好きでもあります。

たとえば、「どこに住んでいるか知らない」「出身校も知らない」「結婚しているのか、子供がいるのかなど家族状況も知らない」・・・・というくらいにさらっとした関係。(知りたくないというのではなく、誰も詮索しないし、自分から言わないので、結果的に知らないし、さほど興味を持っていない、という感じです)

そういう関係において、「ゆる」っとしたマネジメントが機能する職場はいいなあ、と思ったりします。

それぞれがすべきことをきちんとこなし、だからといって「私は自分のすべきことしたから、他人の手伝いはしない」というようなことではなく、「他者の仕事もなんとなくは把握していて、いざという時は、うわーっと大勢で助け合う」というようなチームワーク。

付かず離れず、そっと見守り、互いの守備範囲はクロスしていて、過干渉にはならないけれど、困ったら、すぐ手を差し伸べる、というような。

それが「さら」っとして「ゆる」っとした組織、あるいは、マネジメントのイメージです。

一方、「べと」っとして「きつい」というタイプもあります。

公私ともに深く濃く付き合い、夜もしょっちゅう飲みに行ったり、仕事場で家族の話もしょっちゅうしたり。そして、仕事には、きっちりとしたマネジメントが行われる。

細かく細かく指示し、今何に取り組んでいるか、時間の管理も行動の管理もする。

それはそれで、一つ一つがしっかり進んでいくでしょうし、統制がとれるやり方ではあると思います。

どちらのスタイルも良さがあるはず。

「さらゆる」か「べときつ」かは、トップマネジメントや部門のマネージャの考え、姿勢によるところが大きいようです。

「さらゆる」のほうが私は好きですが、「さらゆる」が空中分解したり、ただの「自由奔放」にならないようにするためには、ビジョンとか目的・目標の共有など根本で「合っている」ことと自分のミッションが明確になっていることは不可欠です。

そして、なによりも、個々人の「自律」と「自立」がとても問われますし。

実は最近、人事異動があり、今までとかなり異なるミッションを持ちました。(3足のわらじ状態に)

新しいボスはまさに「さらゆる」タイプで、「自分で考えて自分で動いて」と言い、細かいことは指示されず、私には非常に居心地がよいのですが、一方で「自由には責任が伴うんだからね」とびしっと言われました。(このボスは一回り年下の若きマネージャですが、私がリスペクトする一人です。)

そりゃそうですね。細かい指示がない分、全部自分で考えて、自分で動かねばなりません。しかも、成果が出なければ意味がありませんし。

「さらゆる」に甘んじることなく、そのよい面を仕事の成果に結び付けられるよう、張り切って活動していきます。それも、ちゃんと「楽しみ」ながら。

・・・このブログ、ボスも読むのだろうか・・・(笑)。

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