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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

バスにすればいいのに、車の修理を始めちゃう、みたいなこと。

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先日、あるエンジニアの方とお話ししていたら、「物事の本質、目的を見失うことはあるよね」とおっしゃった流れで、こういう例を出してくださいました。

「ある場所にできるだけ最短の時間で行こうと思う。自家用車とバス、どちらでも行くことができる。今回は、自家用車の方が早く現地に到着できるから、”自家用車”を選択したとする。いざ出発!という段になって、自家用車が壊れてしまった。すると、どうするか。自家用車の修理を始めてしまうことがある。結果的にものすごーく時間をかけて、自家用車を直し、出発して、ようやく目的地にたどり着く。・・・ふと我に返る。考えてみたら、車は後で直したってよくて、”できるだけ早く現地に着こう”という当初の目的からすれば、車が壊れた段階で、バスで、という選択をすべきであった・・・ってこと、あるよねぇ。」

ついつい、目の前にある「問題(と思えること)」を退治しようと思ってしまうけれど、今それをやっつけることが最良ではないってこと、冷静に考えて、気付かなければならない、と言うのですね。

ああ、わかる、わかる。

それ、目的じゃないよ。手段だよ。手段だったら、別の手段でもいいじゃないって、落ち着いて考えればわかることなのに、当事者になると、行動がおかしくなってしまうということ。

今、一番、自分が対峙すべきことは何か、見失うことってあります。

何かの渦に巻き込まれると、高いところから自分の思考や行動が見えなくなること、あります。 自分でもよくやってしまう。

そういう時、全然関係ない人(利害関係がない人、当事者ではない人)に話してみると、「それ、なんか違わない?」と客観的に言ってくれることがあります。(「濃い関係」では同じ渦に巻き込まれていることがあるから)

だから、「薄ーい」関係、「ゆるーい」関係も大事なんだなあ、と思うのです。

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