ソフトウェア製品開発現場の視点

高速道路の渋滞対策 - ランプメータリング

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以前 IBM の Smarter Planet 関連で、ダイナミックに料金が変わる、高速道路の優先レーンについて書いたが、もう一つ以前から書こうと思っていた、高速道路の渋滞対策がある。

アメリカの西海岸を中心に最近よく見かける高速道路の渋滞対策にランプメータリングという方法がある。調べてみるまで、名称はよく知らなかったが、英語で書くと Ramp Metering である。わかりやすく言うと、高速道路に進入する加速車線の手前に信号機を置いて、流入する車の制御を行うというものである。(Wikipedia に写真付きで解説されているので、詳しくはそちらを見てください。)

http://en.wikipedia.org/wiki/Ramp_meter

ここに置かれている信号機は、普通の信号機とは違って、赤と青が交互に表示される。大部分は赤表示で、数秒(1秒から3秒くらいが多い)に一度一瞬だけ青になる。この青になった瞬間に1台だけの進入が許される。

この仕組みを導入することで、流入する車の数を制限して本線をスムーズに流すのと同時に、青にするタイミングをダイナミックに変化させることで、流入するタイミングのコントロールも行っている。たとえば、本線に連続して車が来たときに青にすると、合流で本線の流れを乱すので、本線の車の間隔が広がったのを見て青の回数を増やすということを行っている。

上記の Wikipedia に日本でも近いうちに導入される書かれていたので、日本語で調べてみたところ、南山大学の三宅氏の論文が見つかった。

http://www.seto.nanzan-u.ac.jp/msie/ma-thesis/2007/KAWANO/m06mm016.pdf

この論文に書かれている内容で、ETC の導入が渋滞を引き起こしているという指摘は、興味深い。高速道路の流入対策がアメリカで早期に注目された理由は、アメリカの高速道路は基本的に無料で料金所がないため、高速道路への進入路近くにある信号の影響で、流入する車がダンゴ状態になっていたことにあった。本線上の交通量が多いときにダンゴ状態の車の列が流入してくると、スペースを譲り合うために本線上の車がブレーキを踏む必要がでてくる。そのブレーキが後続の車に連鎖して渋滞となる。

ところが、これまで日本では、高速道路の入り口には料金所があったため、近くの信号でダンゴ状態で料金所に入ってきた車は、料金所で料金を払ったり、通行券を受け取ったりする間に平準化され、結果的にランプメータリングと同様の効果があったということのようだ。ところが ETC によって料金所で止まらずに、ダンゴ状態のまま本線に進入してくるケースが増えたために、これまでの渋滞とは違ったパターンの渋滞が発生することになった。そこで、その対策のために日本でもランプメータリングが注目され始めている。

数年後には、日本でも進入路に信号を見かけるようになるかもしれない。流入するときは少し待たされることになるが、本線に流入した後は、次の入り口でもランプメータリングが行われていれば、その付近での渋滞が解消されるので、交通網全体の効率性 (時代のキーワードを使えば CO2 削減) とともに、各個人にとっても、目的地に早く着くことができるというメリットを受けることになる。

Comment(3)

コメント

通りがかり

ETCによるダンゴ状態の流入が問題であるならば、ETCに一時停止するよう制限することでランプメータリングの導入は不要になると思います。
また、日本の、2車線または1車線しかない高速道路への流入において、十分に加速できない車両の増加のもとになるのでは?と思います。

通りがかりさん、

コメントありがとうございます。確かに、ETC ゲートとランプメータリングを組み合わせることは可能ですね。

高速道路の流入のスピードの問題は、私も気になるところです。アメリカでも、信号から合流地点までの距離が短いときは、加速が十分にできないケースもあるようです。信号の設置場所など研究が必要ですね。

京葉沿線住民

その昔ですが、日本においてランプメータリングは採用された事例があります。
京葉道路の幕張ICの下り線合流部に置いて、本線交通流への影響を最小化を図ったものです。
その後、東関東道の湾岸部ができて廃止になったようです。
毎日、通勤に使っていたので間違いはありません。

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