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ライブドア問題。今だからこそ、Web2.0的サービスの開発に取り組もう

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世間ではライブドア問題が大きな波紋を呼んでいる。一つの企業が粉飾決算(やそれに関係する会計上の不正など)をしたかどうかで、ここまで騒ぐのはマスコミの煽り過ぎ、とも思うが、事件に関連性のある自殺者が出た、ともなると、それもやむを得ないか、とも思う・・。(亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します)

投資家心理が冷え込んでしまうのはしょうがないとしても、就職学生がIT企業を敬遠し始めた、とも聞く。これは由々しき問題だ。

僕らが何をするべきか、ということになるのだが、このライブドア問題によって、せっかく盛り上がってきたWebビジネスの気運がくじかれるのは本末転倒と感じている。いや、こんな状況だからこそ、Web2.0的な企業であること、Web2.0的サービスを淡々と開発し、発表し、その是非を世に問うべきではないか。

ライブドアが白か黒は判断できないし、しないが、ITバブルを代表するような印象が世間にあるのは間違いない。新しいサービスを打ち出すよりも、Yahoo!を真似たフォロワー(Me, too戦略ともいう)に徹したり、金融的手法で得た大金での(一見本業と関係が無い)企業買収という、ある意味Web1.0以前の手法が目立っているのは事実で、同じような立ち位置にいる企業は、「自分たちは違う」と証明するほか無い。

Web2.0が一昔前のバブルと異なるのは、進化したWebの技術を使って、ユーザーの便益を生むサービスを低コストで作るという気運だ。Web2.0的、と称される企業には金を湯水のように遣うという印象が無い。卓越した知恵と人手によって、こつこつとモノ作りをするという、日本人にとっては昔ながらの手法を徹底してやることだし、そうして生まれたサービスこそが本質である。そして、ある意味異常なまでの情報公開を行っていく姿勢を併せ持つ。良い例が社内会議さえポッドキャスティングする、はてなのような企業である。僕はいまEnterprise Watchで、Web2.0的企業のキーマンへのインタビューを続けているが、共通するのが自らの技術とサービスに誇りを持ち、進化するWebの可能性を信じて新しいチャレンジをしようとする純粋な気持ちだ。当然僕もその誇りを持っている。

敢えて言う、こんな状態だからこそ、真剣に素晴らしいサービスを作り、ユーザーに提供することに専念しよう。アナクロな言い方だが、ひたすらがんばろう。
今、僕はFeedpathというサービスを発表する準備を整えている最中なのだが、Feedpathは僕が数年前からあたためてきたコンセプトを元に基本的設計した。そしてそれを、少数精鋭の優秀な開発者が形にしようと必死に努力してくれている。同じように、寝る間を惜しんで努力を続ける素晴らしい開発チームを僕はいくつも知っている。

だからこそ、繰り返す。いまこそ、皆でWeb2.0的サービスの開発に取り組もう。それしかない、と僕は思う。

(*) このBlogは、個人的な見解を示したもので、所属するいかなる組織とも関係なく、
   他の誰の考えを代弁しているものではありません。

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