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Web2.0に関する考察ノート:後編

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少し間があいたが、Web2.0に関するまとめ、考察ノートの後編。

前編では、Web2.0=数年前から変化し始めたWebの環境であり、その傾向は今後数年間にわたって更に顕著になっていく、と書いた。
後編では、Web2.0時代に生き残るサービス、企業、ビジネスモデルを論じたい。

01. Web2.0の技術

メタな言い方をする。
僕がWeb2.0的なサービスを作るとすれば、以下の条件を満たすことを優先する。

1. RUI(Rich User Interface)
シンプルかつリッチなユーザーインターフェイス(UI)

2. Share
サービサーとユーザー、あるいはユーザー同士がデータを共有することができる。
ソーシャルブックマークやタギングは重要な要素だ。そして、ユーザーがデータを共有してくれる以上、ユーザーが増えれば増えるほど内包するデータが増え、全体利益が増していく。

3. Feed
Feedを生成できる。Feedを収集できる。

4. Search
検索性が高い、あるいは検索サービスそのものを包含している。

5. Mashup
APIを公開している、もしくは外部APIを活用する。それによって前述4項を実現するのもアリ。

この5つの項目を、僕なら全て満たすことを考える。

流行としてはPHP、XML、Ajaxといったキーワードが並ぶが、基本的に、どんなプログラム言語を使っていようがかまわない。ただひたすら、上述の5項目に当てはまることがWeb2.0環境に適応していると胸を張って言える条件となると思う。

いずれにしても、僕が考えるに、どんな技術を使ってもかまわないが、Web2.0が「XML濃度が高く、ハイパーリンクが完成に向かっている」以上、XMLをベースにしていることは必須条件だ。更に、オープンソースを使って作っているからにはアプリケーションの構造での差別化ではなく、サービスの構造で差別化するべきである。

02. Web2.0的企業達のビジネスモデル

実のところ、米国であってもWeb2.0的かつ成功している企業となると、Google、Apple(iTMS)、Amazon、eBay くらいのもので、あとはまだまだシードマネー(起業のアイデアに対する、当座の小規模な投資)を求めるベンチャー達をいくつか数えるのみである。
(彼らのビジネスモデルをここでは繰り返さない)

その中で目立つ企業を挙げると、

- 37signals.com
オンラインプロジェクト管理ツールのBasecampが特に有名。
- Planzo.com
オンライン・カレンダー。

Planzo

- Zvents.com
オンライン・カレンダー。

Zvents

- Zimbra.com
オンライン・コラボ・メッセージングツール
- Num Sum
オンライン表計算サービス

Numsum

- Writely.com
オンライン・ワープロサービス

といったところだ。
ちょっと不可思議なのは、Feedリーダーサービスが少ないことで、BloglinesRojo.comくらいしかいない。あとはGoogle Readerか。
(だからこそFeedpathではFeedリーダーでの差別化をまず考えたのだが)

見てもらうと分かるのだが、上記全てのベンチャーは活動拠点をサンフランシスコにおいている。そして、基本は学生相手かビジネスユースのサービスである。そして、ほぼ全て無料サービス+広告モデルで、Googleが仕掛けたゲームのルールに準拠しているのが分かるだろう。サービスはユニークでもビジネスモデル上の工夫は無い。要はシリコンバレーにおける、VC対応をまず念頭においていることが分かるだろう。

この部分の記述は、Web2.0に対する否定的な意見を、逆に擁護する内容に見えるかもしれない。Web2.0 とは金集めに必要なマーケ的な用語である、というわけだ。
しかし、正直現時点ではそれもやむを得ない。Web2.0を平均的なネットユーザーに理解してもらうことはまだ難しく、1-2年後のブレイクに焦点を合わせてビジネスモデルを組んだときに、どうしても短期的には投資家狙いにならざるを得ないからである。
この状況を、単に金集めの方便と捉えるのは早計であり、フェアでない。金が集まらなければ、メガベンチャーへの扉は開かないのであり、真のWeb2.0ベンチャーは、そのことをよく知っているのである。
(とはいえ、シードマネー欲しさに似非Web2.0を気取る山師も多いのは否定しないが)

03. Web2.0企業のゴールとは

Web2.0企業達のロールモデルはGoogleである。Googleは、検索エンジンというプラットフォームを有効活用できる限りにおいて、ありとあらゆるサービスに進出する。そしてその際の収益モデルは原則として広告である。イントラネットでのサービス、例えばグループウェアやEIPなどへの参入も間違いなく果たすだろう。
無料で高品質のサービスを提供して、広告という間接収入を得るというビジネスモデルをシンプルに追い求められた場合、全ての企業はこのゲームのルールにつきあわざるを得ない。(MSでさえも例外ではない)

つまり、IPO前のベンチャーにとって、高品質の無料サービス(初期段階では必ずしも広告収入を得られない)をまず提供し、ユーザー数を稼ぐ必要がある。
利益を得るためのターゲットを、マスメディアに求めるかナノメディアに求めるかは関係ない。まず、ユーザーを増やし、内包できるデータを増やすことを為して初めてゲームに参加できるのである。

逆にIPO後のベンチャーにとっては(上述の、ユーザー数確保という目標には変わりないが)、企業価値を最大化することがゴールとなる。それによってスピンアウトによる子会社のIPOなどの手段も可能になるし、増資も計画できる。やはりWeb2.0に対応する新しくて過激なサービスを生み出して、そのユーザー数を稼ぐことがまずは最初のマイルストーンになるのだ。
逆に、そういう施策をとらないと、一攫千金を求める優秀な若者を雇うことができない、のである。

 Web2.0に関する考察ノート:前編

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