モバイルシフトとソーシャル化によって変化するネットの世界を、読者と一緒に探検するBlogです。

Googleは本気でMicrosoftを殺す気でいる、たぶん。

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Sidebar Googleは、強力な検索サービスというコアコンピタンスを利して、Orkut、Gmail、Bloggers.comなど、ぱっと見には何の関係もなく、統一感の無い数多くのネットサービスを発表し続けている。最近は市場ではいつGoogleがIMを発表するかを固唾をのんで見守っている。
彼らのサービスは一見してあまり関連性が無いように見えるのだが、実は関連性が無くて良い、とGoogleは考えていると思う。結局はGoogleという検索プラットフォームによって最終的に数珠つなぎに結びついていく。実はGoogleはこれまでにはない、完全無比な中央集権型の企業なのである。

GoogleはYahoo!と並び称され、ビジネスモデル上も対比される事が多いのだが、エリック・シュミットにとってはYahoo!は眼中に無い気がする。彼のアタマにあるのは、来るべきMicrosoftとの全面戦争のことだけだろうと思う。 Yahoo!はハリウッドから人材を集め、いよいよメディア化している。彼らの敵はIACやAOL、あるいはディズニーやルーカスフィルムかもしれない。

MSはWindowsというOSを、世界中のクライアント(PC)に載せる事によって、非常に細分されたターミナルを拾い上げ、結果として巨大なビジネスネットワークへと結びつけているが、Googleは真逆である。Googleは精緻に練り上げられたパッケージソフトを作る事は未来永劫ないだろう。彼らがクライアントPC向けに作るのは、小さなアプレットのようなもので、あくまでも世界を覆う強力なインターネットサービスへのさまざまなゲートウェイを配布しているに過ぎない。

世界のスーパーパワーは、いよいよ米中の対立という二極分化の呈を示しているが、インターネットというか、IT市場はMSとGoogleというスーパーパワーの全面戦争へのカウントダウンを待っている、そんな状況に近づきつつあるような気がする。

そんな中、さて、我々はどうするか・・・・。

(追記)

説明がいるらしいので、明確に書くと:

MSはクライアントという無数に分散した拠点に、OSという基地を設置している。それを今やインターネットというネットワークで数珠つなぎに結んでいく。ブラウザはもはやOSのサブセットではない。MSの現時点での収益源はOS+Officeであり、OSへの依存度が下がった瞬間にOfficeの売上も地盤沈下を示す。従って、XPからVistaへの乗り換え需要を起こせない場合、MSの絶対的な地位は大きく揺らぐ。XBOXなどの別の収益源を作るという動きもあるが、少なくとも現時点ではOS+OFFICE。これがMSのビジネスモデルである。それ以外のドメインでは絶対的強者というわけではない。

対して、Googleは、クライアントやOSに依存せず、無限に広がるインターネットを覆いかぶさるようにしてサービスを展開している。基地はデーターセンターの中にあり集中している。
MSが無数の分散的拠点を、ネットワーク化していくのに対して、Googleは逆に巨大なネットワークから、クライアントやイントラネットの中に侵攻し始めている。Googleが自前のブラウザを作り、ネットワークOS化することは十分想定できると思う。

つまり、ビジネスモデルとして反対な立場、思想を標榜する二つの企業が、パラダイムシフトを互いに起こそうと争っている。

これが僕の意見です。極論でなければ、本質に触れる事にはならないと考えています。

ちなみに、郵政民営化にも賛成です。
骨抜き法案であろうと、まずは民営化して、それから細かい問題は調整していけばいい。そうでなければいつまでたっても日本は変わらないでしょう。極論です。

関係エントリー

(追記2)
05/10/29
GoogleとIBMが企業内検索システムの分野で提携。
MS包囲網はますます広がっている。

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Comment(17)

コメント

某通りすがり

相変わらず極論ですなぁ。
> Googleは精緻に練り上げられたパッケージソフトを作る事は未来永劫ないだろう。
のであれば、「全面」戦争にはなりえないのでは?
ポータル争いという意味では「前面」戦争くらい?:-p

某通りすがり

たとえば、こんなのは将来なくなると?
http://www.sourcenext.com/products/
一般向けPCで「使うのはブラウザ+メールだけ」という人がいるのは確かだけれど、それが「全員」になると考えるのは無理があるのでは? ブラウザ+メールだけ使える「家電マシン」があってもよいと思うけれど、カスタマイズして使える「パソコン」がなくなるわけではないと思います。
企業向けPCならなおさら。それに企業内システムを構築するためのサーバー製品だってあるわけだし。

こちらはこの辺りの議論を見ての展開でしょうか、それとも見ずに同じようなことを考えていたということでしょうか、とにもかくにも最近業界の目利きが同じ現象に注目しているというのは面白いことです。

http://blogs.itmedia.co.jp/honda/2005/07/vista_6efc.html
http://satoshi.blogs.com/life/2005/08/google_os_.html

一点だけ、気になるポイントが。
>パラダイムシフトを互いに起こそうと争っている。
Googleがパラダイムシフトを起こそうとしているのには同意ですが、Microsoftはどうなのでしょうか。むしろ起こさないために、Googleへの対抗措置を取っているようにも見受けられるですが。

>kushさん
二つのURLを教えていただき、ありがとうございました。読んでいなかったので、慌てて読ませていただきました。
それと、MSもまた、20世紀の覇権は忘れ、21世紀の新しいビジネスモデルを模索しているように思います。(やはりずば抜けて頭のいいヒト達の集まりですから)

Googleとは違いますが、Appleもまた、これまでのMSとのOS上の直接対決から、別のゲリラ戦を選択したように思っています。ここについて、次回は書いてみます。

> 某通りすがりさん
いえ、そういうソフトは無くならないと思いますよ。
要はバランス、の問題です。全面戦争とは言っても核爆弾落とし合うわけではないので(笑)。
どちらかのビジネスモデルの影響力が高まって、パワーバランスが変質する、と言いたいのです。

某とおりすがり

> Google OS
どんなビジネスモデルを想定しているのかが、ちょっと見えにくいですね。すべてが検索エンジンの付帯サービスとして提供されるという前提なのかな。Longhorn改めWindows Vistaは、Indigo があるので、Web サービス“インフラ”を指しているのではないと思うけど。
> パッケージソフト
なくすのでなければ「殺すつもり」とは言えないのでは? そもそも(全面的に)「殺すつもり」などないと思うけど。もちろん検索分野での牙城は守り抜こうとしているでしょうが。
パワーバランスは、とっくに変質しているでしょう。

humanmove

「全面」戦争を終結させるのはgoogleの人口知能を備えたブラウザである。もちろん勝者はgoogleである。
と勝手ながら想像します。

某とおりすがり

GBrowser?
たとえば Linux をベースにしたブラウザ+メール専用OSのようなものは考えられると思います。それは、Windowsと競合するのではなく、住み分けられるものだと思いますけどね。というより、「パソコン」という姿には合わない気がします。
(人口知能→人工知能)

yet another 通りすがり

そうか、ユーザ視点から見ると google のサービスって統一性がないように見えるのか。目からうろこ。
あそこのサービスってどれをとっても、素では秩序の見えない大規模なデータをプログラム主体でハンドリングして、人間が把握できる視点を提供するという発想のものだと思ってました。
もちろん Microsoft 製品を含めてコンピュータ自体の特質なんですが、Google のサーチエンジンがまず評価されたのは規模でも UI でもなく検索結果の評価アルゴリズムだったし、それは他の Google のサービスにも多かれ少なかれ見られる特質である、と。

で、Google Suggest や Google Maps に見られる Ajax 技術への傾倒や、Google Maps 開発者インタビューで語られた Google Earth が専用クライアントを用意せざるを得ないことに対する失望感などからすると、Google が自前のクライアントを持ちたがるというのはちと考えにくい。
もちろん Microsoft が自分のところのクライアントとサーバを守りにかかった結果として、対抗上 Google がクライアント支援に乗り出さざるを得なくなる展開というのはじゅうぶんありえますが、クライアント層を自前でやらざるを得ないところまで追い込まれたら Google の負けでしょう。

某とおりすがり

うっかりしてましたが、Google Earthって売り物だったんですね。
シュリンクラップされたパッケージソフトというわけではないけど、ソフト販売にも成長の道を求めているんでしょうか(その失望のインタビューとは、どこにあるんでしょう?^_^;)。いずれにせよ、Windowsにしか対応していないし、「殺すつもり」とは程遠いようです。

そもそもの前提として Google は Microsoft に勝ちたいと願うほど器の小さな会社では無いと思います。彼らにとって Microsoft に負けることよりも Google で検索できな事がある事のほうが悔しいのでは?

がんばって下さい

郵政民営化について
“まずは民営化して、それから細かい問題は調整していけばいい”


と書かれていますが、そうでしょうか?そのうち細かい点は調整されると思っているのですか?
頭いいようで、悪いですね・・・。

TAKU

「がんばって下さい」さんは民営化反対派でしょうか?
>そのうち細かい点は調整されると思っているのですか?
調整されますよ。
まずは民営会社に恩恵を与えて、民営化→株売却→他の会社との競争条件整備というステップです。最初から条件を公平化してしまったら、国が株を高く売れずにいままでの(国民資産の)投資が回収できないではないですか。
NTT株ももっと早く売却を進められるつもりだったと思うので、考えてるようにはうまくいかないかもしれませんけどね。

某とおりすがり

> Google は Microsoft に勝ちたいと願うほど器の小さな会社では無い
これに同意します。Google が考えていることは「他社に勝つ」ことではなく(たとえば)「ユーザーの支持」というようなことでしょう。
「世紀の対決」みたいな取り上げ方は、いわゆるセンセーショナリズムの悪例だと思いますね。あんな骨抜きの郵政民営化が、対決姿勢のおかげで「改革案」に見えてしまうようなもの:-p “Microsoft ですら”、そういう煽り方を反省して Get the facts をやっているんだと思いますが。

sato

シリコンバレーの会社が他社を意識しないで何を意識するんですかね。
Googleの最近を見ていると「ユーザーの支持」は建前になりつつある気がしますけど。

某とおりすがり

> 他社を意識
意識しないわけはないでしょう。
しかし「殺すつもり」で活動しているわけではないのでは?

今度は WiFi 向け VPN らしいですよ、Google の新サービス。

ぽこ

要はグーグルはクラウドコンピューティングを狙っている・・・
って、小川さんがこのコラムを書いたの2005年じゃないですか!!
その頃からそれを見抜いていたとは・・・

ところでストリートビューには明確なビジネスモデルが透けて見えるのですが。いかがでしょうか?

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