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通信業界特殊偵察部隊のモノゴトの見方、見え方、考え方

今なら笑えるトランシーバーの会話

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前のエントリーでトランシーバーの会話の話を書きましたが、これは最近の現場での話です。
その瞬間は別の場所にいたのですが、運営のスタッフから 「どうしましょうか!?」と悲鳴がトランシーバーで飛んできたので、すぐに飛んでゆきました。

主催イベントの一番メインの社長が話すカンファレンス・セッション。読みとしてはほぼ満席になるはずなのに開始15分前でも3割くらいしか人が入っていな い状態。受付や途中のエスカレーターで渋滞を起こしていて、どう考えても時間通りに開始できない。そこに本来その場の担当ではない私がスタッフからの声に 反応して飛んでゆきました。

ディレクター 「5分押しますか?」
ざっと状況を見て、そこは直感で即断。
私 「いや、10分押しましょう。5分じゃ間に合わない。社長にはすぐに伝えます。とりあえずスタッフには展開してください。」
ディレクター 「了解です。」
すぐに社長の秘書を捕まえて状況を説明してスケジュールの変更を伝え、運営のスタッフに確認を取って段取りを全部して、広報部長とも話しをつけ・・・とバタバタしていると、もう当初の開始予定5分前。
途中で別の社員 「(トランシーバーで)「そっちに行きます」 (えー、もうこなくて良いよー)
私 「(ディレクターに)とにかく私が決めます。場内アナウンスをお願い!」

別の社員 「(トランシーバーで上司に向かって)これは5分押しですかねー」
そこで別フロアの受付付近にいる上司からトランシーバーで 「受付が渋滞しているので5分押しでスタートしてください」
トランシーバーを持っているスタッフが一様に動揺して沈黙・・・・
気を取り直して私 「10分でいい。ここは私がQUEを出します。10分押せば絶対に全員入れる。とにかく10分押し。」
ディレクター 「大丈夫ですか?」
私 「いいです。私がQUEを出します。社長、広報部長ほか、直接の関係者全員に話を通してあるから、他の指示は無視して。」
そういい残して、もう一度会場の中に入って状況の確認。
着席している人の数をざっと数えて会場入り口を振り返ると、到着した上司と先ほどの別の社員が二人で何かディレクターに指示していましたが、とりあえずディレクターには手で合図して運営スタッフのところと社長のところに走り、「10分押し。それでぴったりStart。」
その間も着々と席は埋まってゆきます。大体最初の10分押しで入りきるという読みどおりに行きそうな状況です。

実はこういうときの指示にはトランシーバーは殆ど使いません。話をしたい人の居場所をトランシーバーで確認したら、すぐに走る。直接話しをして、直接指示を出す。
並行してプレスの扱いなどについての段取りを社長に確認して運営スタッフにトランシーバーで指示を飛ばしたら、スタート2分間前。

かくして、結果的に定時より10分押しでほぼ全てのお客さまが部屋の中に入りきり、セッション開始。ふぅ。

主催の責任者にとっての現場の鉄則:
スタッフに過度な責任を負わせて不安にさせてはいけない。
確信に基づいて出した指示で動いているスタッフは絶対に守る。
キーとなる人への連絡は自分で走る。直接話す。誰かに任せない。

別に自分が偉いわけでもなんでもなく、誰を批判するわけでもなく、役割としてその瞬間に果たすべきなのはこういうことだと考えた結果です。高々20分間の 出来事ですが胃がキリキリするほどの緊張です。その場の責任者はどうなっているのだとか、そもそも事前の段取りが悪かったんじゃないかと言われるとそれま でなのですが、ちょっと事情があるのでその部分は深く考えないでください。

バタバタしましたが、何とかまとめたこの現場。それもこれもイベント・マーケティングのひとつの形だと信じています。
何しろ理論だけではなく、人と現場あってのイベント・マーケティングですから。

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