私のおすすめツィート術 ~ 何をつぶやけばいいかわからない人から,効率的にツールを使ってツィートしたい人まで
仕事の関係で,私はわりと早くからツイッターの快進撃に興味を持っていた。
特に去年後半,TechCrunchが熱狂的にツイッター記事を流し出したころからは,何か大きなうねりのようなものさえ感じていた。
そこでツイッターをはじめた。いや実は何度かトライして失敗した。
目的志向で,何事も構えてしまう性格の私には,どうしても最初の一歩を踏み出せなかった。
いわゆる "What are you doing?" というヤツだ。
一体,なんのために,しかも誰に,どんなことを書けばいいんだ。
ツイッター最初にして最大の壁である。
今ならわかる。ツイッターは本当に自由なツールなのだ。もちろん日常のことをつぶやくのもいいし,仲間内での交流に使うのもいい。
例えるならネット上の立食パーティだ。多くの人が集まり,流れにまかせて話し相手が変わる。会話はフリーでオープンだ。興味を持てば隣の会話も聞けるし,入ってもいける。ただ全然違うのは疲れないこと。僕はパーティが苦手で心底疲れてしまうタイプだが,ツイッターなら大丈夫。家でリラックスしながらできるし,嫌なら勝手に去ればいい。ただし自由度が高すぎて,目的意識を持って参加しようとするとはぐらかされた感じになってしまうところがあるのだ。
今回は,そんなツイッターはじめの一歩でくじけている普通の方,ビジネスに使えないかと野心を持っている方,結構ツィートしてるけど何かツールを使ってもっと効率的なできないかかと考えている方々のために,私なりに考えた「おすすめツィート術」を記してみたい。
■ どんなツィートを流そうか?
ツィートにはいろいろなタイプがある。ヒトコトそのときの気持ちを書く人,さりげない日常を短く新鮮に表現できる人,身の回りの写真にコメントをそえて流す人,商用に近い情報を流している人など実にさまざまだ。
その中で私が考えたのは「ソーシャルメディア」の最新情報をネットで取り込み,自分の目で面白そうな記事だけ取り上げ,コメント入りでツィートすること。これなら特別な文才や情報源がなくても興味を持って読んでもらえるだろう。しかも近いアンテナを張った人たちとツイッターを通じて知り合いになれる。
しかし問題はいかに効率的にツィートするかだ。仕事をしながら,電車に乗りながら,ベッドで寝ぼけながら空気のようにツィートできないか?そんな気持ちを原点にいろいろ試行錯誤してまとまってきたのがこれから紹介する3つのステップだ。
■ まず最新のニュース情報を入手するために
ここから先,初心者の方には少し難しい手順となるので,図解しながらできるだけわかりやすく進めていきたい。
その前にもしGoogleアカウントとツイッターアカウントを持っていることが前提なので,お持ちでなければこの段階でつくっておこう。
まず最新の情報を入手するには,自分が興味を持っている分野のニュースやブログをかたっぱしからRSSリーダーに登録することからはじめる。特になければ,はてなブックマークで関連分野の人気記事をRSSで入手し,さらにその先のニュースないしブログも登録してしまおう。慣れてきたらそこからさらに先の海外サイトまで。そこまでいけばかなりの情報通だ。YahooやLivedoor,Googleのようにニュースを集約しているサイトも同様にチェックしたい。
で,RSSリーダーはGoolgeReaderを使う。機能やRSSフィードの登録方法はこのページを参照のこと。
・ できる情報ジャンキーの新たな味方 - Google Readerを試そう (マイコミジャーナル,2007/3/28)
この記事ではGoogle Readerの使いこなし方まで書いてあるが,ここではRSSフィードを登録するところまでで十分。それができたら次のステップへ。
■ Google Readerで「メモ付き共有」
さていろいろなページをReaderに登録すると次から次へと新着情報が届くようになる。その中で何か一つ「これは」と思ったニュースを探そう。見つかったら記事の下にある「メモで共有」をクリック。そこに独自のメモを書き込む。メモはごくシンプルなヒトコト感想が良いだろう。
「メモで共有」したら左のサイドバーの「コンテンツ」の下にある「共有アイテム」をクリックする。見あたらない人は「すべてのアイテム」の中に畳み込まれているので「+」をクリックしてバーを広げればその中に入っている。
すると今登録した「メモで共有」したニュースが閲覧できるはずだ。続いてこの画面で右側上部の次のような表示を見つけよう。
・ [共有設定] でその他の簡単な共有方法をご覧ください。
見つかったらこの「共有設定」をクリック。さてこの画面で次の図にある2点をチェックしておこう。(画像クリックで拡大)
さてここで下のカスタムurlが表示されていない方はGoogle Profileを設定する必要があるので次のステップを踏もう。2クリックするだけの簡単設定だ。
この通りクリックすると共有ファイルのページに飛び,さきほど「メモで共有」したページが出てくるはずだ。これで誰からでもアクセスできるあなたの共有ファイルページが作られた。このページのurlを見ると次のようになっているはずだ。
http://www.google.com/reader/shared/XXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
このXXXの部分の数字が大切なのでコピーしておく。
これで前準備は万端だ。
■ GoogleReaderとツイッターをつなぐ
ここでの設定の目的は「メモ付き共有」を自動的にツイッターに流すこと。そのためには Reader2Twitter というツールを使う。
詳しい方のために私がReader2Twitterを選定した理由を。同様の機能を実現できるツールはこの他にFriendfeedやTwitterfeedがある。Friendfeedの課題点はメモ(コメント)をつけられない事だ。またTwitterfeedはプリフィックス,サフィックスをTweetに付与できるのだが,配信の挙動が不安定で共有してからTweetされるタイムラグも長い。ただいずれのツールも現時点では稀に共有アイテムが流れないことがあるようだ。
まず最初に次のurlにクリックして,Reader2Twitterにアクセスしてみよう。
・ https://reader2Twitter.appspot.com/
で,このトップページの「sign in with Twitter」をクリック。まずあなたのツイッターアカウントと接続しよう。接続されると次の図のような設定画面があらわれる。
入力するのは二箇所だけ。Google Readerでチェックした数字をこの画面で入力し,ツイッターに流れる情報のフォーマットを設定する。終わったら最後にsubmitボタンをクリック。ボタンの下に "It's OK now. Wish you can share this tool in greader:)" と表示されたらすべて設定終了だ。
■ 実際に試してみよう
では,ここでGoogle Readerに戻り,もう一度興味深い記事を探して「メモで共有」してみる。今度「メモで共有」したものは実際にツイッターに自動的に流れるのでいい記事を選んでみよう。もし不本意な記事が流れてもあわてる必要はない。ツイッターに行ってそのツィートを削除すればよいだけだ。
どうですか?ちゃんとTweetされましたか?
Reader2Twitterは無料サービスであり,他のサービスのそうだが挙動が不安定なときがある。もしうまくいかないときにはすこし時間をおいてから再度トライしてみよう。きっとうまく機能するはずだ。
■ さらにアドバンスなオプションを
私は次のようなアドバンスな設定をして,iPhoneから投稿したり,Facebookとつなげたりしている。時間のある方は難しくないので自らトライしてみよう。
1.iPhoneをお持ちの方はGoogleReaderと同期する「Byline」がおすすめ。「メモつき共有」が簡単にできるので移動中にツィートできるようになる。
2.その他,FacebookやFriendfeedなども結合すると,Google Readerを基点として多様なソーシャルメディアに一斉配信することができる。
また携帯からの投稿は不要でFirefoxを利用している方。もしお時間あれば「feedly」という素晴らしいGoogleReaderアドオンを使っても同様のことができるのでお試しあれ。
■ さいごに
ベストなツィートは結局それぞれの個性にあわせたものなので,このような情報配信を核にしながら,実際には対話したり,今の気持ちをコメントしたり,オリジナルスタイルを身につけていけばよいと思う。ただツィートに柱ができると,わりと自然に"What are you doing"を流せたり,@で話しかけたり,友人や会社の仲間も誘いやすくなる。ここがまた大きなポイントだ。フォロー関係にある人が増えるとツィッターは一気に楽しくなってくるからだ。
最後にこのツィート術のメリットをいくつかまとめておこう。
- ツィートがとにかく楽。その割に興味深い内容になりやすくフォローしてくれる人が増えてくる。
- いつの間にかその分野の情報にやたらと詳しくなっている自分に気がつく。特に海外サイトから情報をとりはじめたらスペシャリストだ。
- 社内でヤツの情報感度は凄いと噂になりはじめる。そうなるとツィートしていても仕事をしているように見えてくるので都合が良い。
- ツィートはフロー情報だが,大切な情報はGoogleReaderに半永久的にストックされていつでも検索などで取り出せるのがうれしい。
- 自分と似た業種,同じ興味,同じアンテナの人々と広く知り合いになれる。実はこれが最高のメリットだ。
この仕組みは会社でも有用だ。Google Readerの情報を社内やタスクチームで共有をしながら,同時にソーシャルメディアで外部にアピールしていくという高度な技が可能になる。その詳細についてはこの記事が好評だったら続編でご紹介したい。
この記事に興味を持った方はぜひ私のツイッターアカウント toru_saito でどんな感じにツィートしているかチェックください。ついでにフォローいただけるととてもうれしいです。
では,ツイッターでお待ちしています!
筆者Twitterです。 ご意見,コンタクトなどお気軽にどうぞ http://twitter.com/toru_saito
こちらもよろしければどうぞ。 『Twitterマーケティング 消費者との絆が深まるつぶやきのルール』