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海外ソーシャルメディア事例を徹底的に調査し,マーケティング活用の秘訣を提案するブログ

社会人になって以来,ソフトウェアを中心としたコンピュータ業界に身をおき続けて早や25年にもなった。
その間,大企業に先人の智恵を学び,ベンチャーを創業して失敗から多くを学んだ。

バブルも大不況も,また企業や製品サービスの盛衰も,人並み以上に味わってきたベンチャー経営者として,最近強く感じていることがひとつある。

全世界のユーザーがつながり始めたことによるWebサービス業界やソフトウェア業界へのインパクトの大きさである。つながったのは消費者間だけではない。消費者と企業,プログラマと企業,デザイナと企業,テスターや翻訳者と企業,デザイナとプログラマとテスター。さらにはコンピュータや端末同士の有機的なつながりもここに来て加速化している。

これらインターネットによる本質的なコミュニケーションの進化により,すべての産業は大きなインパクトを受けるだろう。中でも深刻な地殻変動を味わうことになる分野のひとつが,IT業界,特に顧客向けWebサイトを開発しているSIerや小規模事業者ではないか。

すこし順をおって,筆者の感じていることを箇条書きに列挙してみよう。なお,ここでは「ユーザー参加型サイト」を「ソーシャルウェブ」と総称することにする。

1.単純なカタログ型Webサイトの多くは,早晩ユーザーに見放される。
Webのソーシャル化,またそれを支えるネットユーザーの進歩は著しい。ソーシャルウェブが台頭し,かつそれぞれが他サイトとの連係を深めていくだろう。ユーザーは信頼できる情報を求め,ユーザー同士が交流できるサイトを訪問する。未対応のサイトは廃れていくだろう。実際,ソーシャルウェブと従来型ウェブの訪問者数の推移を見ると,その差異は歴然としている。

Web

【参照元: hitwise.com】

2.ユーザー参加型Webの活性化や運用は,従来型サイトと比較して格段に難しい。

ウェブのソーシャル化はメガサイトに限った話ではない。程度の差こそあれ,商用サイトの多くはユーザー交流の場を提供することになるだろう。ソーシャルウェブ構築運用には多くの落とし穴があり,システム技術やデザイン技術と並んでコミュニティ・ノウハウが重要となる。これらの多くはIT系を超えたマーケティングや顧客コミュニケーションのスキルであり,そのハードルは高い。コミュニティ成功のノウハウについては筆者ブログ 「コミュニティ成功の秘訣」 へ。

3.これからのWebサイトは単独で存在するのではなく,他ソーシャルウェブとの連係がキーとなる。
Facebook, mixi, YouTube, Twitter,Googleなど,すでにユーザーが参加している既存ソーシャルメディアとの連係が,Webサイトへの集客や活性化において重要なファクターとなってくる。これらは SEO,SEMと同列とも言えるが,遥かに奥深い知識とスキル,応用力が必要だ。日進月歩で新しい技術(OpenSocial, FriendConnect,FacebookConnect ・・・)が生まれており,新技術とそれを活用した国内外の成功事例を常にウォッチする必要がある。

4.開発マンパワー,サーバー施設,さらにソフトウェア製品などは,コアコンピタンスになりえない時代となった。
企業と技術者のつながりはクラウドソーシングの流れを加速し,自社で抱えた開発マンパワーの価値を徐々に落としてゆく。またサーバー施設はクラウドコンピューティングの影響で,やはり徐々にだが資産から負債に変わってゆくだろう。さらにオープン・イノベーションとGoogle/Microsoftサービス競争によって,ソフトウェアの無償化,コンポーネント化が進み,ソフトウェア資産そのものの価値が落ちてゆくだろう。おそらく後2~3年のうちに資産劣化が課題視されるようになり,その後ソフトウェア業界全体として深刻な問題となってゆくはずだ。

5.ついにソフトウェア産業にもボーダレス経済の波が襲ってくる。
日本語の壁に守られていた国内ソフトウェア産業に,本格的なボーダレス経済の波が押し寄せはじめる。すでにクラウドソーシングやクラウドコンピューティング,ソフト資産のオープン化により,海外(英語ワールド)でのソフトウェア開発コストは劇的に下がり始めている。日本でもこれらを活用せざるを得ないし,仮に十分に活用できなければ産業全体が地盤沈下してゆくだろう。ソフトウェア産業にはサービス業と製造業の二面性があるが,製造業に近い業種ほどその影響を受けるだろう。

まとめると,ウェブのソーシャル化により,システム構築の難易度が上がり,IT系以外のスキルやノウハウが必要となってくる。一方で,今まで強みとしていた人材やソフトウェア資産の価値が下がっていく。さらにグローバル化により競争は増してくるという三重の波が襲ってくるということだ。

コンピュータ業界には,過去にも大きな外部環境変化(例えば,集中から分散,また集中といった情報システムの変遷,10年ごとに入れ替わる開発言語の変遷等)があった。しかし今回の波は,これらの言わば定例的でサイクリックな変化とは一線を画するものではないか。そしてこのような外部環境の劇的変化にどう対応して企業を成長させてゆくか。IT業界の経営者に共通する重要な課題であると感じている。

インターネットの影響によるマスメディアのパワーダウンは,花形業界であったテレビ業界・新聞業界・広告業界を直撃した。次にネット進化に直撃され,変貌を余儀なくされるのは,我々IT業界かも知れない。

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斉藤 徹

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