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ソーシャルメディアは儲かるか?

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驚異のバイラルムービーが生んだ歌姫 スーザン・ボイルさん は,多くのマスメディアにとりあげられた。

テレビ朝日のニュースステーションによると,再生回数は5000万回に増えたとのこと。"Susan Boyle" と YouTube で検索すると既に8000件の動画がアップされており,クチコミによる再生・増殖の連鎖が続いている。

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動画は こちら(英語版) こちら(日本語翻訳つき) から

この原動力となっているのは,YouTube という巨大ソーシャルメディアの恐ろしいクチコミ伝播力だ。その一方で,この YouTube は年4-500億万円という巨額赤字を垂れ流していることに 前回ブログ で言及した。

「Web2.0,ソーシャルメディアは儲からない」のではないか?

比較的有識者の方を中心にクチコミで広まった,定説に近い噂だ。

あくまで私見だが,真実はシンプルだと思う。
 ・ビジネスは儲かるものもあれば,儲からないものもある。
 ・ネットワーク効果で勝ち組に利益が集中するネットビジネスでは,そもそも負け組が圧倒的に多い。
 ・ソーシャルメディアは未だ成長期であり,勝ち組になるために収益性より規模の拡大を優先している。

そのため,多くのサービスは赤字を垂れ流し,勝ち組候補の赤字幅は天文学的になっているものが多い。その典型的なものが,YouTubeTwitter だ。

しかし,振り返ってみると,インターネットの創世記も同様だった。

Amazon が巨額の赤字を出し続け,一部投資家から大変な批判を受けていたことは記憶に新しい。Google についても同様だ。IPOしていなかったため批判はさほど表面化していないが,そもそも Google は収益の見込みなしに,極上の検索エンジンをシンプルに提供し続けていた。

現在も Google には,ビジネスモデルを度外視する傾向が顕著に残っている。
星の数ほどあるサービスのうち,Adwords/Adsense 以外に黒字化しているものはほとんどない。

では,ソーシャルメディアは,AmazonGoogle のように利益を出せるのか?
特に重要なポイントは,旧来型広告収益に頼らない効果的な収益ドライバーを見出せるかどうかだ。

その可能性を探るために,まずは歴史を振り返ってみたい。

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この図は,ソーシャルメディアとそのビジネスモデルの進化系統図をあらわしたチャートだ。

3つのビジネスモデル(広告収入,コンテンツ収入,会員料金)は光の三原則で表現している。例えば,広告収入(黄色)と会員収入(水色)ともにあるサービスはその合成色(緑色)であらわしている。Greeはすべてのビシネスモデルを含んでいるので(黒),反対にTwitterは持たないので(白)だ。

明日は,この進化系統図をベースに,ソーシャルメディアの歴史を振り返り,そのビジネスモデルの特徴や進化をさぐっていきたい。そしてWeb2.0が儲かるかどうかを実際に検証していきたい。

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