「ソーシャルメディアってどう?」 これだけは知っておきたい最新ウンチク集
今,マーケティングを中心に 「ソーシャルメディア」 の活用が注目されている。
そもそもこの「ソーシャルメディア」,わかったようでよくわからない言葉だ。
まずはITpro最新IT用語解説より引用してみよう。(難しい部分は省略しています)
『ソーシャルメディアとは、ユーザーが情報を発信し、形成していくメディアのこと。(中略)ソーシャルメディアにはブログやSNS、インターネット上でお気に入りを共有する「ソーシャルブックマーク」、ソーシャルニュースサイト、オンライン百科事典、クチコミサイト、FAQサイト、ビデオ投稿共有サイト、掲示板などがある。情報の伝搬力が高いソーシャルメディアは影響力を増しており、ユーザーの滞在時間が長いのも特徴。(後略)』
「ソーシャルメディア」を広くコミュニティを活用したメディアとしてとらえると,大きく「パブリック」と「プライベート」の2種類に分けられる。
「パブリック・コミュニティ」とは一般ユーザーを対象とした双方向型マスメディアであるのに対し,「プライベート・コミュニティ」とは企業が自社顧客向けに提供する自社メディアだ。一般的にソーシャルメディアというと「パブリック」を指すことが多いが,実はこの分野で最も成長率が高いのは「プライベート」である。
("Secrets of SOCIAL MEDIA Marketing by Paul Gillin"より)
今日は,「パブリック・コミュニティ」,その中でも主役である 巨大SNS(以下,メガSNS) の世界で,事情通と思われる「使えるウンチク」を3つ紹介しよう。
■その1 ソーシャルメディアの花形 「メガSNS」 は,世界の文化圏ごとに覇者が異なる。
例えば,北米は,Facebook と MySpace。 中南米は Orkut と Hi5。 欧州は Bebo と Hi5。 アジアは Friendster(復活してます!)と Orkut という具合だ。これに対して国内独自のSNSが寡占しているのは,日本をはじめ,中国,韓国,ロシアといった個性的な文化圏を持つ国々だ。また日本において海外勢は苦戦の連続だが,実は日本語版Facebookだけは急成長しており,年3倍のペースで会員を伸ばしている。
■その2 世界のメガSNSは,日本のSNSのビジネスモデルを学んでいる。
日本が誇るメガSNSといえば,Mixi,Gree,モバゲーだ。日本は世界でも独特の文化圏のため,SNSもガラパゴス状態に近い。その中でも,モバゲーとGreeは広告収入に頼らない複合型のビジネスモデルを取り入れ,世界に類を見ない高収益性を実現している。(このモデルを開発したモバゲーは特に素晴らしい!) 世界をリードする Facebook や MySpace でさえも広告効果の低さから収益性を疑問視されており,日本独自のビジネスモデルが注目されているのだ。
■その3 プラットフォーム覇権を狙う3グループが,仁義なきオープン化ウォーズを開始した。
今年世界最大のSNSとなった Facebook,2番手となり勢いにかげりのある MySpace,オープン化を錦の御旗として猛威を振るう Google の三大勢力が,ソーシャル・プラットフォームの主導権をかけて激突している。日本では(必ずしもSNSではないが),OpenIDをトリガーとして Yahoo,Mixi,楽天 を核に争いがはじまりつつある。これらの本質は,クラウドコンピューティングを見すえた次世代覇権の争いだ。
なお,オープン・ウォーズに伴うメガSNSのプラットフォーム化により,少人数で驚異的な収益を上げるベンチャー企業が世界中で産声を上げている。ゲーム機(メガSNS)とその上のゲームソフト(ベンチャーが開発するアプリケーション)と同じ構図で,大不況のIT業界の中で一筋の光明だ。近日スタートするMixiのオープン化やそのビジネスチャンスについてもこのブログで順次ご紹介する予定だ。
では,明日からは,これらのウンチクがより効果を発揮するよう,さらに詳しく掘り下げていきたい。