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ソフトウェアは私たちに幸福をもたらすことができるのか

5週連続Web2.0

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 最近Web2.0の話題で講演をすることが大変増えています。この7月は既に5回。今月だけでも合計500人以上の人にお話ししたことになります。加えて明日も大阪で。

 たとえば、今週の火曜日にお話ししたときの演題は「企業情報システムを支える人のためのWeb 2.0入門」。基本的に私はWeb2.0そのものだけでなく、Web2.0が今後企業情報システムにどのような影響を与えうるのかといった話をしています。

 「Web進化論」や「Web 2.0 BOOK」がベストセラーになり、電車の中吊りにまでWeb2.0が踊っているところにさらに業界内でWeb2.0話が必要か?とも思ったりのするのですが、いまだに企業情報システムに携わる方々や、大手ベンダーの方々の中ではWeb2.0を否定的に捉えられている方にお会いすることがあります。たとえば、

 「Web2.0って騒いでるけど、あんなものおもちゃとしては面白いかもしれないけど、セキュリティもダメだし、企業情報システムには使えないですね」とは、ある中堅企業の情報システム課長さんの弁。

 でも、「おもちゃ」だとか「使えない」という話、いつか聞いたことがありませんか?

 国内でインターネットの商用利用が本格的に始まった1995年頃、インターネットの話をするとまさに「おもちゃ」だとか「企業では使えない」という話をよく聞きました。それが、イントラネット、Web EDI、EC、EIPなど、いまやインターネットとその技術は企業情報システムに欠かせない存在になっています。これがWeb1.0の企業での活用の姿ということができます。

 そして、インターネットの新たな潮流の総称Web2.0。確かに、おっしゃるように現時点ではセキュリティの問題があったり、ツールが揃っていなかったりするでしょう。大手ベンダーもサポートしていないし(笑)。しかし、こういった課題は時間が解決し、Web2.0的といわれる個別の技術やモデルがどんどん企業情報システムにも活用されてくるのは間違いありません。Web1.0がそうであったように。

 一言でWeb2.0と言ってもそれは単一のものを指すのではなく、「マッシュアップ」「ロングテール」「フォークソノミー」「microformats」「Ajax」「RSS」「REST」「Data as Intel Inside」「チープ革命」「Web API」「SaaS」等々の多くの技術やモデルの総称です。だから、もし、まだWeb2.0に疑念を持っているようであれば、お祭り騒ぎに乗って「Web2.0何ぞや」を知識として勉強するのではなく、一つ一つの技術やモデルをあなたの手の届くところで活かすことができないか、考えてみることをお勧めします。

おまけ:Web2.0関係の最新情報(主に米国)ウオッチには、5月から日本語版が開始されたTechCrunchがお勧めです。http://jp.techcrunch.com/

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