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AppleのComplying with the Digital Markets Actを読む

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先々週末に、Appleから一つのドキュメントが公開されました。紹介記事には載っていたのですが、Appleのサイト(ディベロッパー)からたどる方法はわかりませんでした。
Complying with the Digital Markets Act
サブタイトルにApple's Efforts to Protect User Security and Privacy in the European Unionとあり、EU域での代替アプリストアおよび決済手段提供に関する、Appleからの説明です。

僕は以前から、日本のディベロッパーのサイドローディングに関する意見に反感を覚えつつ、iPhoneがプラットフォームになってしまった以上、Appleの独占はないと考えています。つまり、代替アプリストアは仕方ない、と言うことです。Appleがどう対処したのか、興味を持って本書を読みました。

今回、AppleはiOSアプリの審査にNotarization (公証でしょうか)という仕組み、機械的なアプリ審査と、人手によるレビュー、を導入し、どのアプリストアであってもNotarizationを受けるようにしました。既にmacOSでは実施している仕組みだとか。それなら、別に今回のアプリストアの開放と関係ありません。本当の差異は、Appleではさらにアプリの内容の審査等までするのが、それぞれのアプリストア次第になること。

アプリの内容(例えばポルノ)は、法律等で規制されていれば、それぞれのアプリストアは法律に従う義務があります。一方、法律以上にするのは、個々のアプリストアの判断であり、かつユーザーの選択次第です。

今回の書簡で、Appleは代替アプリストアに関する心配事を書き並べるだけでなく、CEO Tim Cookに届いたとする多数の心配メールが列挙されているのも、泣き落としにしか見えず、逆効果です。

Appleは仕組み構築等、よくやっているので、大きく構えていればいいだけと思います。よそのアプリストアに移行されると、売り上げは落ちるでしょうけど。

今回のApple方式が最終的にEUで認められるかはわかりませんが、日本でも法案が出されようとしているので、数年以内には日本でも似たような仕組みが運営されるでしょう。日本で、代替アプリストアが運営されたら、僕はどうするか。同じアプリがリリースされている限り、Appleのアプリストアを使うでしょう。

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