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Apple他テクノロジー企業と米司法省のプライバシー/セキュリティと犯罪をめぐる戦い

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先週、以下の件がテクノロジー関係のニュースだけでなく、NHKのニュースでも報じられました。
Apple、FBI捜査のためのiPhoneバックドア命令を拒否──自由を脅かすもの

司法省の求めは、iPhoneのパスコードミスの回数制限をはずすことと、外部から機械的にパスコードを入力できることのようです。それによって、効率的にパスコードを見つけ出し、iPhone内部の情報を解析するようです。

Appleの反対理由は、Tim Cookの書簡: A Message to Our Customersで明らかにされていますが、プライバシーを守る機能にバックドアを設けることと、All Writs Actの濫用の前例になることに対する懸念です。GoogleやTwitterと言った企業のCEOもAppleの方針に賛成しています。

All Writs ActのWikipedia解説を見ると、同法は2条しかなく、執行側の裁量の余地が非常に大きいことがわかります。さらに、これまで色々やってきたらしい司法当局が相手なので、今回のためだけと言われても、簡単には実施する気にならないことはよくわかります。

今回の事件の捜査におけるiPhoneの解析の必要性は僕にはわかりません。望ましいことは、その必要性を裁判等で明らかにした上で、Apple立会の元にスペシャルバージョンのiOSをそのためにだけに使うことでしょうか。その場合ですら、開発したバックドアが漏れ出して他に悪用される可能性は残ります。一般国民の不利益になる可能性と、捜査の必要性を天秤にかけて判断するしかありません。それができるのは議会と裁判所であり、All Writs Actで簡単に執行してしまうことではないと考えます。

最悪はiPhoneユーザーの自分も巻き込まれてしまうとは言え、他国の話。今週にどうなるか、ハラハラです。

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