ほとんどが直販(年間購読)のため、入手がやや難しい方もいると思われるが、3月3日号の雑誌「日経コンピュータ」の記事を読んだ。

注目したのは、広報担当者だったら、できれば一度も登場することなく一生を終えたい、かの「動かないコンピュータ」(動コン)。編集部肝いりの長寿コーナーである。泣く子も黙るジャーナリズム重視の視点から、徹底取材を敢行し、事実関係と言質と記者の目で構成するIT業界きってのネガティブコーナーである。書かれる側、つまり主人公にとってはたまったものではないが、とはいえ、ここで紹介される内容は、たいてい示唆に富んでおり、読者は多くのことを学ぶことができるのだ、と理解している。(喩えるなら、秋田の「なまはげみたいなものか。怖いけど、向き合ってこそ幸せをつかむ、のような。)

いつも私が注目するのは、言質を取られてしまったスポークスパーソン、特に、広報担当者の弁である。正論、正答、ミスクオート(失言)、ノーコメントなど多々あるが、それぞれの事象やタイミングや構成される文脈などによって取り上げられ方はさまざま。そこは学びの泉である。

今回の記事では、UCC社によるTwitter活用キャンペーンについて触れられていた。(すでに、Twitterやブログの世界では沈静している)さて、事象の顛末については他のブログや記事に委ねるとして、今回、比較的多くのコメントが引用されたのは同社広報の弁。それらは極めて簡潔で、率直なものだった。

記事自体はキャンペーンの運用方法に批判的だが、起きてしまった事実とその要因について、広報自ら認め、その対策を速やかに講じたことを解説し、そして、今後も前向きに取り組んでいくという姿勢を明らかにしている。特に終盤で「Twitterを使ったマーケティングをやめるのではなく、問題点を見直したうえで今後も活用していきたい」と締めくくっている。編集のまとめ方としても、未来への展望を示唆していることは評価すべきだろう。

今回の事象は、特定の部門が単独で進めていたことも指摘されていた。広報の視点でいえば、各事業部が対外的なコミュニケーションを開始する際、特に新たな取り組みをする場合には、事前にきちんと広報や関連部門と連携を取るべきだと考えている。そうすることによって、広報は各事業部の1)弁護人となり、2)アドバイザーとなり、3)門番になってくれるはずだ。

*広報は、決してあなたを監視してダメダシする部門などではない。が、この姿勢を保つためには広報自身も日々の切磋琢磨を欠かしてはならない。

そんな視点からも、今回の同社広報の対応は秀逸といえる。件の事業部にミスはあったかもしれない。しかし、それを会社として、信頼回復の道のりを乗り切るために一丸となった様子をうかがうことができた。大変勉強になる記事だった。

注:文中の「広報」とは、広報部、広報室、広報担当など、会社などで広報活動することがアサインされている人物や部門をさす。広義の「広報活動」とは異なる。

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玉川岳郎

玉川岳郎

日本オラクル広報室長。
「ニュータイプになろう!」と、広報の枠を超えた様々な試行錯誤で縁ジョイ・ライフ。
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