Twitterのタイムラインを眺めていると時折、とても興味深いつぶやきに出会う。少し前だが、思わずとあるコメントにくぎづけになってしまった。これは私のように長く広報という仕事をしているといつか必ず直面するジレンマの一つ。さてそのつぶやきとは・・・

「1人会見なう」

・・・某IT系専門メディアの記者がつぶやいたものだ。私自身は実際の主催企業のことや会見の目的・内容などを全く知る由もない。しかし、このつぶやきを見て、もし自分が会見を行う立場だったらどのような視点を持つだろうかと思いを馳せた。

私がうんと若い、それはもうかなり昔のことだが、とある業界向けの記者会見を開いたときに、トピックの弱さ(一般的な不人気にはこれが多い)と他の催し物が同時間に重なってしまった、などが響いて、想定していた人数よりも大幅に記者の数が少なかったことがある。待てど暮らせど、椅子に座っているのは4名。椅子は、20席用意してあった。

はて、ここで考える。広報の立場からは、環境的な要因はさておき、記者の来場促進のための活動はすべて、しかもかなりしつこく行ってきた。

*余談だが、この記者誘致活動においてかなり頻繁に記者の皆さんに連絡をすることがある。僭越ながら、(非公式に)業界を代表してお詫びをしたい。

そのすべての活動をした上で人が来ないのだから、もうこれは腹をくくるしかない。ところが、往々にして発表者自身や、時にはよりによって上司なんかが、「こんなに人が少ないんだったらやる意味はない、中止しよう。」あるいは、「私は出ない。」とかわがままをいう場合がある。広報の担当者としては、来てしまった数名の記者を眼前におろおろするばかりである。

その時に、拠り所になるのは、私たち広報の従事者が大事にすべき次の三つの原則だ。

  • 取材や会見を約束したら、必ず行う。
  • 記者の数ではなく、読者・視聴者を意識する。
  • 媒体を区別(差別)しない。

*なお、特段の事情、正当な理由がある場合はこの限りではない。特段の事情とは、会見の3大要件1)スポークスパーソン、2)記者(オーディエンス)、3)会場などのインフラ、のいずれかまたはすべてがそろわない場合である。逸れるが、BCP(事業継続性)の視点では、災害などで伝えるべき人や会見場所がそろわない場合には会見が実施不能となる。ここでいう、会見場所とは必ずしも部屋という会場のことではなく、古くは「青空会見」、昨今では電話やネットワークを使った「実質的に人が集う場」での実施と考えられる。

つまり、会見を約束し、会見の3大要件がそろっているのならば、どんなに内容がつまらなくても、どんなに人数が少なくても、記者が一人でも座っている場合は実施をしなくてはならない。これは、記者が少ないからやりたくないという、一個人のメンツや体裁の問題を越えた、企業が社会の窓として外部の世界と結び果たさなければならない約束事なのだ。

さて、冒頭の記者のつぶやきには続きがある。初めのつぶやきからほどなく「二人になった」「2人会見になりました。」と続き、「かつてはどの会見も人がたくさんいて質問できないくらいだったのに。みんなどこにいったの。」で締めくくられた。


*引用したつぶやきの文言は趣旨を踏まえたものであり、必ずしも一語一句を反映していません。あらかじめご了承ください。

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*写真はイメージです。本文の内容と直接関係はありません。

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玉川岳郎

玉川岳郎

日本オラクル広報室長。
「ニュータイプになろう!」と、広報の枠を超えた様々な試行錯誤で縁ジョイ・ライフ。
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