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夏目房之介の「で?」

上野都美術館「ボストン美術館展」の「吉備真備入唐絵巻」

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上野都美術館の「ボストン美術館展」に行ってきた。正直まとまりのない印象の展示だし点数も少なかったけど、狙いは「吉備真備入唐絵巻」「平治物語絵巻」なので、重点的に観て満足。12世紀、絵巻の最盛期。後白河がらみの国家プロジェクト並み高度な絵巻の出来。詞書きの書も素晴らしい。正座して飛行する真備と鬼(じつは阿倍仲麻呂)はやっぱりかわいい。人物がひょろっと縦長で顔も縦長。そのすっとぼけた感じにどことなく植田まさしを連想する。後白河が幽閉される平治絵巻には有名な牛車の高速回転する車輪の描写が。確か某天皇が俺が発明したといってる奴。この二つだけでも見るに値する。

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