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発声で口を大きく開けると良い声が出るという勘違い 口を開けずに響く声を手に入れる方法

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「発声のときは大きく口を開けましょう」とはよく言われることです。

じつは、私も、以前は、大きく口を開けたほうが良い声が出ると思っていました。

映画「歌魂」でも、合唱団が口を池の鯉のようにぱくぱくと大きく開けている象徴的なシーンがあったのを覚えています。 学生時代の合唱団や劇団クラブは、体育会系のところが多く、しっかりと口を開けていないと叱られるものです。 だから、いきなり「本当は口を開けない方が良い声がでますよ」と言うと「私は今まで何をやっていたのか・・・」と悩んでしまう人もいます。 また、合唱団で40代以上のベテランの方などは、怒り出してしまう方もいます。

口を大きく開けることが悪いということではありません。

もちろん最初のうちは、口を開ける訓練をすることも良いのです。なぜなら、最終的には「口の中が開いている」ことが大事なので、そもそも口があまり開き難い状態であると、良い声にたどり着くことはありません。 だから、口を開ける訓練をしておくことは、肉体的な準備が出来るという意味でも良いことでもあります。

それでは、どのような口の開け方で発声したら良いのでしょうか?

じつは、口を開けない方がよく響くのには理由があります。

あまり口の前を開けすぎると、せっかく良い声を出していても、音の響きが拡散してしまうのです。

ある程度口の前は閉じて、口の中を開けている方が、響きが集まってよく響きます。

例えば、クラシックの歌手は、大きなホールでもたいていマイクなしで歌いますが、野外劇場の場合はマイクを使うことがあります。それは音が散ってしまうからです。 よく響くホールは天井が高いですね。口の中も同じと考えてください。いかに口の中を開けるかというほうが大切です。良い声の人は、口の中で音を共鳴させて音を響かせることをしています。

ただ、「口の中を開ける」と言われれても、やみくもに開けていても意味がありません。 口の開け方を説明するとき、ボイストレーニングでよくあるのが「軟口蓋を上げて」(軟口蓋の場所が良く分からないし上げ方も分からない)とか、「ハッ?!と驚くような顔をして」とか、「喉を開けて」(どうやって開くの?)、「目を吊り上げて口を開けて」などがあります。私自身、この指導を受けたとき、これだけでは、意味が分かりにくかったのを覚えています。

それでは、どうやって口を開けて発声したら良いのでしょうか?

口の開け方と響きは密接に関連します

口の開け方次第では響く声も響かなくなりますので、細心の注意が必要です。 ただ、一度響きを見つけてしまえば、声は楽に鳴るようになっていきますので、ぜひ、口の開け方と響きをトレーニングしてみてください。

本日は、口の開け方と同時に、音を響かせるためのトレーニング方法をご紹介しましょう。

まず、鼻濁音を発音するときを試してみてください。 例えば、「ながい」というときの「が」これを鼻濁音にすると「なngがい」となります。 「ng」となるとき、舌の位置に注意してみてください。 舌の奥が喉の上奥のほうにタッチしますね。 触るとちょっと「おえっ」となってしまう場所です。 この場所と舌の位置を覚えておいてください。

それでは、次の手順で、試しに発声してみましょう。

1、あごを下げて、口を開ける。

☆ヒント:口の開け方はほどほどに

2、大きくゆっくり息をすう

3、「ng」の位置に舌をおく

4、ng~~と発声する。このとき、鼻の周辺でビーンとよく響くくらい息を流してください。

☆ヒント:「ビーン」を感じ難い人は小鼻の横を両手の人差し指で軽く押してください(他人にはつまったような「ん~~~」と聞こえます)

5、舌を少しずつ下げていき「ん~があ~~~」と発声します。このとき、舌の動きに合わせて顎まで下げないように。「ビーン」の感触が少しでも残るように、音をよく聞きながらちょっとずつ舌を下げてください。

☆ヒント:響きの素を作っていますので、あまり大きな声を出さないようにしてください。一気に舌を下げてしまうと、どこで響いたか分からなくなってしまいますので、少しずつ様子をみながら下げてください。

手順1に戻り、10回繰り返してください。

このとき、あまり大口を開けてしまうと、なかなか響かない のがわかると思います。口の開け方を少しずつ変えてやってみてください。どのくらいの口の開け方がよいか探ってみてください。

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