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ベンチャーを起業するときの鉄則はシンプル 創業するときに同じスキルセットを持つもの同士で始めるとどうなるか #asacafestudy

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2010年10月27日、第12回朝カフェ次世代研究会に出席してきました。
テーマは「ベンチャー企業経営者によるパネルディスカッション」です。
 
講師は、ライトスピード株式会社代表取締役、方波見 豊さん。
 
パネルディスカッションで、株式会社いいじゃんネット代表取締役の坂本史郎さんと、まなび株式会社代表取締役の大塚雅文さんが共通して述べていたことが印象に残りました。
 
「ベンチャーを起業するときの鉄則」
 
1、代表取締役は一人であること
 
2、同じスキルセット持つ人間は創業メンバーに入れてはいけない
 
何か新しいことを始めるとき、起業するとき、というのは不安なものです。
必ず誰かと組みたくなります。
しかも、同じスキルセットを持った人たちとやってしまうのです。
 
特に、同じスキルセットを持つプロフェッショナル同士ともなると、それぞれ見方も違い、意見が合わない場合主張しあってなかなか譲れないものだと思います。
そうすると、何かを決めなくてはならないとき決まらない。
 
一人になるということは、最終的に方針は代表が出していくことになり、その決定が会社を左右することになると思えばしんどいことです。
しかし、トップの意見がなかなか揃わないほうがもっと厳しいと思います。
 
例えば、オーケストラの指揮者が二人も三人もいたらどうなるか。
 
同じ曲を演奏するにしても、解釈や感じ方、そして音楽哲学、それぞれ違うと思います。
特に指揮者という職業自体、自分の意見をはっきり持ち、いかに人と違うことをするかということを常に求められます。
そういう人間が複数集まって、演奏方針のすり合わせを行うことなど不可能なことなのです。
 
私は、代表とは、トップとは、オーケストラの指揮者のようなものだと考えます。
 
オルフェウス室内管弦楽団のように、指揮者を置かずに、一人一人の団員が指揮者の役割を担っているような団体もありますが、それはソリスト級のプロが集まった小編成のオーケストラだからできること。
暗黙知を共有できるほどの実力が全員に備わっていることが絶対条件です。
オルフェウスはそういった意味でも、世界でも稀なオーケストラなのです。
 
ほとんどのオーケストラは、指揮者の明確な指示のもと、各団員が才能の切り売りをしながら、演奏をしています。
そして、そのほうが良い演奏につながり、最終的には全員にとって幸せなことなのです。
 
指揮者の中でよく言われる言葉があります。
「ダメなオーケストラなど存在しない。そこにはダメな指揮者が一人いるだけだ」
厳しい言葉かもしれませんが、これはかなり真実をついていると思います。
それほどオーケストラというのは、指揮者が変わると、まるで違うオーケストラのように変わるものなのです。ここではある種のマインドセットが必用です。上手くいくもいかないも指揮者次第。だからこそ一人ですべての責任を負う義務があるのだと思います。
 
オーケストラに指揮者は二人いらないのと同じように、会社の代表は一人で良いということなのですね。

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